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悪性リンパ腫 (希少部位のがん5)

 2012年10月09日 17:25

 白血球の一種であるリンパ球は、血管や全身に張り巡らされたリンパ管の中を流れ、侵入してきた病原体を排除する働きがある。悪性リンパ腫はこのリンパ球のがんで、60歳代に多く発症する。虎の門病院(東京都)血液内科の伊豆津宏二医長は首などのリンパ節にしこりを感じたら放っておかないよう呼び掛ける。

多量の寝汗も

 私たちは首や脇の下、脚の付け根のほか、胸や腹の奥など、体の各所にリンパ節という小さな器官を持っている。

 悪性リンパ腫ではリンパ節が腫れ、それが皮膚に近い所の場合にはしこりとして触れる。時に直径3~5センチを超えるが痛むことは少ない。

 また、38度以上の熱が出る、ダイエットをしているわけでもないのに体重が減る、多量の寝汗をかくなどの全身の症状が表れることもある。

 内科などで診察して疑いがあれば、手術で一部のリンパ節を取り、悪性リンパ腫かどうか、どのようなタイプなのかを検査する。確定したら、その広がりを調べるために、コンピューター断層撮影装置(CT)や陽電子放出断層撮影法(PET)などの画像検査や骨髄の検査が必要になる。

血液内科で治療を

 悪性リンパ腫にはさまざまなタイプがある。代表的なタイプとして、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫と濾胞(ろほう)性リンパ腫がある。

 治療はびまん性大細胞型では、進行した場合には3種類の抗がん薬と1種類の副腎皮質ホルモン薬、さらに分子標的薬リツキシマブという新しい薬を組み合わせたR-CHOP療法を行うのが標準的だ。病巣が局所に限られている場合には、R-CHOP療法と放射線療法を併用する。その結果、少なくとも半数以上の人が治るようになった。

 濾胞性は再発することが多く、標準的治療が確立されていないが、新薬の開発が進んでいる。

 また、MALTリンパ腫というタイプは、胃カメラで発見されることが多く、ピロリ菌を除菌すれば治ることが多い。

 伊豆津医長は「より適切な治療を受けるために、悪性リンパ腫と診断されたら、血液内科がある病院を紹介してもらうといいでしょう」と助言している。

(編集部)

2010年11月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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