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胆道がん (希少部位のがん8)

 2012年10月11日 17:25

 脂肪を消化する胆汁は、肝臓で作られて十二指腸に流れ込む。胆汁の通り道である胆道にできるがんを胆道がんという。日本人のがんによる死因のうち、胆道がんは膵臓(すいぞう)がんに次いで第6位。東京医科大学病院消化器内科の糸井隆夫准教授に聞いた。

胆石がリスクに

 胆汁は、胆道を通って十二指腸乳頭部という所で十二指腸に入る。その途中に、胆汁を一時的にためる袋の胆のうがある。正しくは、胆管、胆のうに加え、十二指腸乳頭部にできるがんも胆道がんという。

 胆のうにできるがんについては、胆石を持つ人にリスクがやや高いとされているが、他の胆道がんについてはよく分かっていない。

 がんが進行すると、白目が黄色くなるなどの黄疸(おうだん)が表れることが多いが、進行しても自覚症状がほとんどない場合もある。ただし、健康診査などで行われる血液検査でGOT、GPT、γ(ガンマ)-GTPなど肝機能検査で異常値を示すことがあり、また、超音波検査やコンピューター断層撮影(CT)で胆管の拡張や胆のうのポリープが映った場合にも胆道がんが疑われる。

期待される化学療法

 治療は、「手術が可能なら行うが、すでに進行していたりして手術ができない場合には化学療法が中心になる」というのが基本的な考え。

 黄疸が表れた場合には、まず黄疸に対する治療を行い、次いでがんそのものに対する治療を行う。黄疸について最近は、狭くなった胆管に内視鏡でステントという管を挿入して広げ、胆汁の流れを良くするという方法が行われている。

 手術では、肝臓まで切除するような大きな手術になる場合も多い。

 また、化学療法では塩酸ゲムシタビンとシスプラチンという抗がん薬を組み合わせる療法が、胆道がんの全ての種類について効果があるとされ、最近は標準的な新しい治療として期待されている。

p> 糸井准教授は「肝機能検査や画像検査で異常が認められたら、ためらわずに消化器内科など専門医を受診し、精密検査を受けることです」と勧めている。

(編集部)

2010年11月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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