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海外旅行での下痢・便秘対策、使い慣れた薬用意

 2012年12月17日 11:47

 海外旅行先で下痢を起こしたり便秘になったりすると、楽しいはずの旅がつらい思い出になってしまう。出発前に体調を整え、少なくとも旅先の衛生事情や感染症状況などは知っておきたい。普段、使い慣れた薬を持っていくのも対策の一つだという。

水だけでなく氷にも注意

 海外旅行者の30~50%が、現地に到着後5日以内に下痢を経験するといわれる。「旅行者下痢症」は、時差ボケなどによる体調の変化、飲料水の硬度の違いなどが主な原因だ。

 過労やストレスが原因であれば症状は軽い。しかし、「発展途上国では衛生事情が良くない所もあり、大腸菌をはじめとする細菌、赤痢アメーバなどの原虫、ロタウイルスなどの感染によって下痢が起こる危険が高くなります」と、海外旅行の医療事情に詳しい、おおり医院(神奈川県)の大利昌久院長は指摘する。

 感染性病原体による下痢では吐き気、腹痛、発熱、水様便などの症状が見られる。下痢をしたら脱水症状に注意し、水分補給をしながら、できるだけ便を出し切る。

 食事は、生の野菜、魚介類などは特に注意が必要だ。水は煮沸するかミネラルウオーターにするほか、氷にも気を付ける。

 旅先で感染しても、病原体の潜伏期間があるため、帰国後に症状が表れることがある。発熱や食欲不振があるようなら、すぐに専門医に診てもらう必要がある。

トイレ事情で便秘に

 便秘も海外旅行には付きものだ。環境の変化や時差、過密な日程、食事の変化などが原因で、便が腸内に長時間たまりやすい。その間に水分が吸収され、便が硬くなって排便回数や便の量が減り、常に残便感があるようになる。

 現地のトイレ事情が便秘の原因になることもある。便器が汚れている、臭いがひどい、隣との間仕切りがほとんどないといった環境では、つい便意を我慢してしまう。便秘の対処法として、おなかを温め、就寝前に水分を十分に取ることが大切だが、帰国後3~4日で症状は改善することが多いという。

 「短期間の旅行でも、下痢、便秘に備え、出発前に普段使い慣れた薬を用意しておくことを勧めます」と大利院長は助言している。

(編集部)

2011年3月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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