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骨折を防ごう、カルシウムだけでは不十分

 2012年12月19日 11:47

 骨粗しょう症で骨密度が低い人ほど骨折の危険性は高くなるが、それに関係なく骨折の危険因子として注目されるのが骨の質だ。特に糖尿病など生活習慣病のある人は、骨密度が十分に高くても骨折しやすいので注意が必要だ。

50%はコラーゲン

 全国で1,000万人以上いるとみられる骨粗しょう症患者。予防と治療両面でカルシウム摂取が大切だが、それだけでは不十分なようだ。

 この病気について長年研究している東京慈恵会医科大学整形外科の斎藤充・准教授は、次のように指摘する。

 「骨を鉄筋コンクリートに例えると分かりやすいでしょう。骨の50%はカルシウムで、残り50%はコラーゲンで構成されています。コラーゲンは繊維状のタンパク質で鉄筋の役割を果たし、カルシウムはコンクリートなのです」

 健康な骨はコラーゲンがアミノ酸と結合して、しなやかで折れにくい状態が保たれている。ところが、悪いアミノ酸が結合するともろくなるという。

 「糖尿病による糖の代謝異常や、ホモシステインというアミノ酸の一種がコラーゲンに結び付くと、鉄筋がさびたような状態になるのです」

ビタミンB12

 その結果、骨折しやすくなる。斎藤准教授はこれまでの研究で、骨密度が高くても骨質が悪いと、骨折リスクは健康な人の1.5倍になるというデータを得ているという。「骨粗しょう症の予防には骨量を増やすことも大切ですが、それだけでなく、骨質を保つ食生活を心掛けるとよいでしょう」

 それにはホモシステインの代謝に必要なビタミンB12を多く含むサンマ、鳥肉のささみ、マグロの赤身などのほか、葉酸を多く含むニンニクやブロッコリーを積極的に取るとよい。

 斎藤准教授は「骨粗しょう症は高齢者の病気というイメージが強いのですが、若い人でも食生活がファストフードに偏ったり、ダイエットで栄養バランスが悪くなったりしていると骨の老化が進行しやすいので、十分に注意を」とアドバイスしている。

(編集部)

2011年12月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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