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「COPD」ご存じですか? 啓発活動で認知度上昇

 2013年01月09日 10:18

 息切れを起こし、重症化すると日常生活が困難になる「慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)」(関連記事)。日本人男性の死因の第7位にランキングされているにもかかわらず、認知度の低さが問題となっていたが、COPDの研究・教育・啓発を推進する世界的な団体「GOLD」日本委員会の調査によって、2012年12月時点での認知度は「どんな病気かよく知っている」「名前は聞いたことがある」を合わせて28.1%と、前年同月比で2.9ポイント上回ったことが分かった。同委員会の福地義之助・代表理事(順天堂大学医学部客員教授)は、国や同委員会による啓発活動の成果だとしている(関連記事)。

2010年までは17%台

 COPDは、初期段階では無症状で、40年前後の長期間にわたって少しずつ進行して息切れを起こすようになる。息切れの症状は70歳以上で多く見られるという。そこで重要なのが早期発見だが、無症状の段階で検査を受ける人はわずか。認知度の低さが一因のようだ。

 GOLD日本委員会が行っている調査は、2009年から毎年12月に実施しているインターネット調査で(2009年のみ7月、12月の2回実施)、マクロミル社の調査パネルの中から20歳代~60歳代以上の男女各1,000人、計1万人が対象となっている。

 「あなたはCOPDという病気を知っていますか?」との質問に対し、「どんな病気かよく知っている」(810人、8.1%)、「名前は聞いたことがある」(1,999人、20.0%)を合わせると、今回のCOPDの認知度は28.1%だった。ちなみに、2009年および2010年の認知度はともに17%台、2011年は25.2%で、認知度は年々上昇傾向にある。

 さらに、「どんな病気かよく知っている」と回答した810人の中から、年齢層別と性別から各11人、計110人に、どんな経路でCOPDを知ったのかを質問。最も多かった回答は「テレビ」(59人)で、次いで「医師や医療関係者から聞いて」(38人)、「新聞」(29人)、「インターネット」(27人)の順だった。

メタボ並みの認知度へ

 2013年度から始まる「国民健康づくり運動プラン(健康日本21)」では、COPDはがん、心臓病、糖尿病と並ぶ対策を強化すべき生活習慣病に位置付けられ、発症や重症化の予防を目的にメタボリックシンドローム並みの認知度向上(80%)の目標が盛り込まれた。

 こうした国の動きに連動し、GOLD日本委員会が後援する「COPD啓発プロジェクト」では、2012年からCOPD啓発用のテレビCMを放映するなどの認知度向上に向けて動いている。福地代表理事は、COPD認知度の上昇はさまざまな啓発活動による成果だとしている。

(編集部)

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