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気温20度以上で心筋梗塞リスク上昇か―英研究

 2013年01月31日 15:39

 平均気温が上昇し続けている近年、夏に熱中症で入院する人や死亡する人が増えている。こうした中、英ロンドン大学公衆衛生学熱帯医学大学院のKrishnan Bhaskaran氏らは、外気温が20度を超えると一時的にに心筋梗塞になるリスクが高まるとの研究結果を、英医学誌「BMJ」(2012; 345: e8050)に発表した。Bhaskaran氏らは、もともとリスクが高い人の発症を早める誘因になっているかもしれないと推測している。

1度上がるごとにリスク1.9%上昇

 Bhaskaran氏らは、英国のイングランドとウェールズの住民を対象にしたデータベースと気象データを使い、気温が20度から1度上昇するごとの心筋梗塞リスクを検討した。対象は、2003~09年の最も暑い時期(6~8月)に11の広域都市圏で心筋梗塞により入院した2万4,861例。

 その結果、20度より高い気温にさらされた1~6時間後に心筋梗塞リスクが高まり、20度を超えて気温が1度上がるごとにリスクは1.9%上昇した。このリスク上昇は時間とともに低下し、高い気温にさらされた3日後には気温1度上がるごとのリスク上昇が0.2%まで下がったという。

 Bhaskaran氏らは「高い気温は、心筋梗塞リスクがもともと高い人の発症時期を早める誘因になっている可能性がある」としている。

 なお、日本最北端の宗谷岬(北海道)よりも北に位置する英国は、ロンドンでも年平均気温が10度程度で、平均最高気温が20度を超える月は6~8月のみ。最も高い7月でも平均最高気温は23度ほどなので、年間平均気温が16~17度(東京)の日本では、20度という基準値は当てはまらないかもしれない。

(編集部)

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