抜け毛の悩み、早めに皮膚科で相談を
2013年02月18日 12:01
若い人にも見られる男性型脱毛症。ストレス社会を反映して、男女とも円形脱毛症も増えている。いずれの場合も治療法は進歩しているので、早めに皮膚科で相談するとよい。帝京大学医学部付属溝口病院(神奈川県)皮膚科の清佳浩教授に聞いた。
男性ホルモンが影響
頭髪は、誰でも1日に100本程度は抜ける。こうした生理的な抜け毛は心配ないが、病的なケースもある。清教授は次のように話す。
「多いのは男性型脱毛症と円形脱毛症です。男性型は男性ホルモンの影響により前頭部や頭頂部の毛髪が抜けて薄くなる脱毛症で、特にひげや体毛が濃い人に起こりやすいのです。円形脱毛症は、ストレスによって10円玉ほどの大きさの脱毛が1~2個生じるタイプと、自己免疫の異常によって頭髪全体の脱毛が生じ、徐々に全身の体毛が抜けていくケースがあります」
このほか、内分泌異常などの病気でも脱毛は起こる。
円形はストレス解消が基本
脱毛を自覚したときは、まず皮膚科を受診するとよい。そこで男性型脱毛症と診断がつけば、フィナステリド(商品名プロペシア)という内服薬が効果的だ。
「この薬は、脱毛を起こす男性ホルモンの作用を遮る働きがあるのです。脱毛の進行を抑えるケースを含め、治療効果はほぼ100%と言えます」(清教授)
ただし、妊娠時に服用すると胎児に悪い影響を及ぼす恐れがあるので、女性には使えない。女性の場合はフィナステリドに比べて効果は落ちるが、ミノキシジル(商品名リアップほか)という外用薬が用いられる。
一方、ストレスによる円形脱毛症は、ストレス解消が治療の基本。自己免疫の異常が原因のケースでは、病態に応じてステロイド剤の点滴や、頭髪の発育を遮るリンパ球を減らすスクアレン酸という外用薬を使う局所免疫療法を用いる。
清教授は「男性型脱毛症、円形脱毛症のいずれも初期に治療すれば効果は高いのです」とアドバイスしている。
(編集部)
2012年3月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)