薬で起こるドライマウス、抗うつ薬など原因に
2013年03月15日 19:31
口の中が乾くドライマウスは、服薬によっても起こる。700種類以上の薬剤がドライマウスを起こす可能性があるという。その代表例と対応策について、昭和大学歯科病院(東京都)口腔(こうくう)外科の新谷悟教授に聞いた。
入れ歯にも影響
副作用で口の乾きを伴う薬剤には、よく知られたものでは抗うつ薬、抗不安薬、抗パーキンソン病薬、解熱鎮痛薬、利尿薬や降圧薬の一部などがある。
「唾液の分泌が低下して口の中が乾くようになります。中でも三環系抗うつ薬は、唾液分泌を促す働きもある神経伝達物質のアセチルコリンに作用して、服用者の約34%にドライマウスが起こるという報告があります」(新谷教授)
そのため、口の中が乾いて、かさかさする、話しにくい、食べづらい、入れ歯が痛むといった症状が出てくる。
「薬を服用していて、こうした症状を自覚したときには、まず自分で唾液の分泌量を計ってみるとよいでしょう」(新谷教授)
その方法は二つある。一つは、ガムを10分間かんで、唾液が10cc以上分泌されれば正常。もう一つは、脱脂綿を2分間口の中に入れて、含まれた唾液が2グラム以上あれば問題はないという。
虫歯や歯周病起こす
口の乾きを喉の渇きと間違えて放置していると、虫歯や歯周病を起こしやすくなる。その点からも、自分で唾液の分泌状態をチェックして、少ないと感じたときにはかかっている医師に相談するとよい。
「治療は、いつも服用している薬を他のものに替えるのが基本です。どうしてもできない場合は、日常生活で唾液の分泌を促すケアを積極的にしてください」(新谷教授)
具体的には、次のようなケアを心掛けることがよいようだ。
- 耳たぶから顎にかけてある耳下腺を丁寧にマッサージする
- 同様に顎の下の顎下腺をマッサージする
- こまめにうがいをして口の中を潤す
- スプレー式の人工唾液や口腔用の保湿剤を利用する
(編集部)
2012年4月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)