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"隠れビタミンK欠乏"で変形性膝関節リスク1.5倍―米研究

 2013年04月02日 12:00

 ビタミン類が不足すると体にさまざまな支障が出てくるが、こうした症状が顕著でないものの実際は不足している"隠れビタミンK欠乏"(潜在性ビタミンK欠乏)の状態にある人は、そうでない人と比べ、膝が痛くて歩行が困難になる変形性膝関節症(関連記事)になるリスクが1.5倍高いと、米ボストン大学医学部のDevyani Misra氏らが、米医学誌「American Journal of Medicine」3月号)に発表した。

軟骨病変リスクは2.4倍

 ビタミン欠乏症は、ビタミンCの壊血病、ビタミンDのくる病、ビタミンAの夜盲症(鳥目)などが代表的。血液を固める効果があるビタミンKの場合は出血に関する症状が多く、新生児メレナや血液凝固時間延長(出血が止まりにくくなる)などが見られる。こうした症状が出ないものの、実際は不足している状態のことを「潜在性ビタミン欠乏」という。

 ビタミンKは骨に働き掛ける作用もあり、骨粗しょう症の治療薬に使われるほど。ビタミンKは海藻類やホウレンソウなどにも含まれているが、とりわけ納豆や青汁、クロレラに多い。ちなみに、血液を固まりにくくする「ワルファリン」という薬を飲んでいる人が納豆を食べてはいけないといわれているのは、このためだ(関連記事)。

 そこでMisra氏らは、ビタミンKと変形性膝関節症の関連を検討した。対象は平均62歳の男女1,180人(女性62%、平均BMI 30.1)。登録時と30カ月後に膝のレントゲンと磁気共鳴画像(MRI)検査を行い、登録時に血液中のビタミンK(ビタミンK1=フィロキノン)の濃度を測定した。

 その結果、潜在性ビタミンK欠乏の人はそうでない人と比べ、レントゲンで変形性膝関節症と診断されるリスクが1.56倍高かった。また、変形性膝関節症の症状の一つ、軟骨の下の骨が硬くなる軟骨病変のリスクが2.39倍だったものの、もう一つの骨棘(こつきょく=骨の突起)ができることとの関連は見られなかった。なお、片側の膝に発症するリスクは1.33倍、両側が2.12倍だったという。

(編集部)

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