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納豆だけじゃない、ワルファリン服用中はクコにも要注意

 2013年04月10日 12:34

 脳梗塞や心筋梗塞から静脈血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)まで、血液が固まる病気を防ぐ薬として有名な「ワルファリン」(商品名ワーファリンなど)。ビタミンKを基とした「凝固因子」ができるのを阻害する仕組みのため、ビタミンKを多く含む食品を食べると薬の効き目が弱まってしまう。日本でも添付文書で納豆やクロレラ、青汁などを取らないよう注意が呼び掛けられているが、注意が必要な食品はほかにもあるようだ。ドイツ医薬品局のI. Flügge氏は、同研究所などが発行する医薬品安全性情報誌「Bulletin zur Arzneimittelsicherheit」の3月号で、「クコとの相互作用により、重度の出血を来す恐れがある」と注意を促した。

突然、広範囲で皮下出血が起きた例も

 クコ(枸杞)はナス科の植物で、特に中国では古くから食卓に上るだけでなく、免疫強化、強心、血中脂質低下の作用があるとされ、不老長寿の妙薬としても重宝されてきた薬用植物。わが国でも広く知られており、粥(かゆ)や杏仁(あんにん)豆腐の上に載っている赤い実といえばピンとくる人も多いだろう。

 健康意識の高まりとともに欧州でも近年、クコの人気は上昇中。上述の"効能" をうたい文句に、錠剤、お茶、エキス、ジャムなどとして販売されている(現在、ドイツで市販されているクコの約9割はナガバクコであり、今回の報告で言及されているのも同じ)。

 報告では中国、エクアドル、ドイツの症例が紹介されており、突然、広い範囲で皮下出血が起きた患者もいたという。いずれもクコ茶やクコジュースなどを飲んでおり、ワルファリンとクコとの相互作用が強く疑われている。

 こうしたことからドイツ医薬品局は、ワルファリンを服用している患者にクコやクコを含有む食品・サプリメント(健康補助食品)の摂取を控えるよう呼び掛けている。

 なお、クコがワルファリンの効果を妨害するメカニズムは明らかになっておらず、早急な解明が待たれる。

(編集部)

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