鳥インフルへのタミフル服用方法は? 米CDCが手引き書
2013年04月22日 12:00
中国で発生している鳥インフルエンザ(A/H7N9)は、4月18日現在で87例が感染し、うち17例が死亡している。人から人への感染も限定的ながら起きている可能性があるようだ。ここで気になるのが、この新型ウイルスへの感染を防ぐ手段があるのか、かかってしまったら重症化するのか、さらに現在使える薬が効くのか―という点だろう。米国の感染症対策を担う疾病対策センター(CDC)は18日、タミフルなど抗ウイルス薬の服用についての手引き書(暫定版)を発表、感染が確定した人だけでなく、疑いのある人にもできるだけ早く服用するよう推奨している。
できるだけ早く投与を
国立感染症研究所などによると、今回のウイルスは病原性が低く、タミフル(一般名オセルタミビル)やリレンザ(同ザナミビル)などが有効な可能性が高いとされている。ただし、アマンタジンは効かないようだ。
ワクチンについては、世界保健機関(WHO)がワクチンの元となるH7型の候補株6種類を準備しているものの、この候補株では有効なワクチンが製造できない可能性が指摘されている(関連記事)。
CDCの推奨の概要は以下の通り。
- 新しいウイルスのため免疫がないことから、感染による急激な症状の進行、重症化、死亡する可能性がある。
- 感染確定例だけでなく疑い例などでも、できるだけ早くタミフルやリレンザの投与を開始すること。確定診断を待って投与開始を遅らせるべきではない。(有効性が下がるとされる)48時間以降でも投与すべき。
- 入院患者や重症患者、別の病気を抱えている患者の治療には、吸入するタイプのリレンザではなく、服用するタイプのタミフルを推奨する(重症患者へのリレンザに関するデータが不足しているため)。
- 重症患者や別の病気を抱えている患者への抗ウイルス薬の最適な投与期間は不明。新たなデータが得られるまでは、通常(5日間)より長い投与期間(10日間など)を考慮すべき。
CDCは「現時点で対応するワクチンがない」「これまでに死亡を含む重症例が発生している」ことに加え、「現時点で人から人への感染は限定的だが、今後増える可能性がある」と説明。38度以上の発熱、鼻水・鼻詰まり、せき、喉の痛み、最近に患者が発生地域へ渡航したことなどがある場合、A/H7N9型ウイルスに感染した可能性を考えるべきと述べている。