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アキレス腱断裂、30歳過ぎたら入念なストレッチで予防を

 2013年05月17日 12:00

 アキレス腱(けん)は、ふくらはぎの筋肉が合わさってできた組織で、かかとの骨に付着している。東京警察病院整形外科の原口直樹副部長は「断裂したら放っておくと治療しにくくなるので、すぐに受診してください」と助言し、30歳を過ぎたら運動前に入念なストレッチを行うよう勧めている。

断裂の瞬間は「たたかれた感じ」

 爪先立ちやダッシュ、ジャンプしたときに、ふくらはぎの筋肉が縮むが、そのときアキレス腱に急に大きな力が掛かって断裂することがある。

 切れた瞬間は、後ろから「強くたたかれたような」とか「蹴られたような」、あるいは「ボールが当たったような感じ」がする。痛くて歩行困難になるが、かかとを上げない"ベタ足"で歩くことはできる。アキレス腱が加齢による変化を起こしたことが一つの要因といわれ、30~40歳代に多い。

 バドミントン、バレーボール、サッカー、テニスなど、急な方向転換やダッシュをするような種目で起こりやすく、急激な前後の動きが多い剣道も要注意だ。

競技レベル目指すなら手術を

 治療は保存療法と手術療法がある。保存療法は、切れた腱の両端がなるべく近づくように、足首をやや伸ばした状態(かかとを浮かしたような状態)で足首をギプス固定するが、足首の角度は徐々に垂直に近くなるように、途中で何度かギプスを巻き替える。半年ぐらいで軽いスポーツができるようになる。

 手術療法は、保存療法に比べ、再断裂が少なくスポーツへの復帰が早いが、傷が膿んだり神経障害などの合併症が起こったりすることもあるので、どちらが良い治療法とは断言しにくい。大ざっぱに言えば、レクリエーションレベルの運動ができるだけでよいなら保存療法、クラブ活動以上の競技レベルの運動を目指すなら手術療法が合っている。

 手術はアキレス腱の上を5~8センチ切開し、二つの断端をしっかりと縫い合わせる。ギプス固定あるいは装具固定を4~6週間続ける。軽いスポーツは3カ月、本格的な復帰は5~6カ月後になる。

 原口副部長は「スポーツ前のアキレスけんのストレッチが予防につながります。30歳を過ぎたスポーツ愛好家は、特に念入りに行うように」と勧めている。

(編集部)

2012年5月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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