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学童期の肥満、メタボや生活習慣病予備軍に

 2013年05月24日 12:01

 子供の肥満の多くは食べ過ぎで、あまり体を動かさないために起こる。そのまま成長すると、内臓に脂肪がたまるメタボリック症候群や生活習慣病に早い時期からかかりやすくなるので、注意が必要だ。学童期の肥満対策について、昭和大学病院(東京都)小児科の土橋一重講師に聞いた。

30年前の2倍近く

 文部科学省の2011年度学校保健統計調査によると、わが国の肥満児童(5~17歳)は約10年前からわずかに減少傾向にあるという。それでも30年前と比較すると、1.5倍から2倍近く多い。

 土橋講師は「肥満やメタボリック症候群への関心が社会的に高まっていることもあって、親などが気を付けるようになり、肥満児童の割合は減少しているようです。しかし、肥満度が高くて治療が必要な子供も少なくありません」と話す。

 肥満度は、全国平均値の標準体重をどのくらい超えているかを示す指標。まず実測体重から標準体重を引き、それを標準体重で割った値に100を掛けて算出する。肥満度が20%以上だと肥満、50%以上は高度肥満と判定される。

ジュースでなくお茶を

 土橋講師は「赤ちゃんが太っていても問題はありません。しかし、5~6歳から太ると成人になっても肥満になりやすいので、学童期以前から肥満対策は必要です。身長が伸びるのに合わせて体重を減らしていくことが大切。目安としては、身長が2センチ伸びる間に体重が1キロ増える程度であれば心配はありません」と説明する。

 子供でも肥満になると内臓脂肪がたまり、高血圧症、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病にもかかりやすくなる。高度の肥満や高血圧症などの合併症を併発している場合は治療が必要だ。治療はまず、生活習慣を改善すること。

 土橋講師は「外で遊び、ジュースの替わりにお茶を飲むなど、ちょっとしたことを心掛けてカロリーを取り過ぎないようにすれば改善していきます。肥満が解消されれば、高血圧、脂質異常、高血糖などの合併症も大抵は改善します」と話している。

(編集部)

2012年5月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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