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大人の10%が不眠、睡眠薬の適正使用に向け指針発表

 2013年06月17日 17:30

 厚生労働省の研究班と日本睡眠学会は6月13日、睡眠薬の適正な使用に向けたガイドライン(指針)を発行した。国内では大人の約10%が不眠といわれる中、睡眠薬処方の用量や複数の薬を使うケースなどが増える傾向にある。こうした背景からまとめられたガイドラインは、最新の研究結果を基に、安全で効果的な治療指針を明示。治療の「出口」である、減薬(薬の量を減らすこと)や休薬(薬の服用を中断すること)の適切な方法も記されている。

治療終了までの流れとQ&Aを用意

 ガイドラインの作成を主導した国立精神・神経医療研究センター(東京都)の三島和夫部長らの調査によると、2005年から2009年の間に国内の大人に対する睡眠薬の処方率は1カ月処方で0.9ポイント、3カ月処方で1.0ポイント上昇したという。

 ガイドラインの特徴は二点。一つは、「不眠症の治療アルゴリズム」を盛り込んだこと。これには、病状把握から治療の必要性の判定、薬を使った治療、睡眠衛生指導(適切な睡眠を取り戻すため、医師が患者に睡眠習慣を含めた日常生活について指導するもの)、認知行動療法(睡眠に対する誤った認識を正すもの)を使い、適切な減薬・休薬などを経て、治療終了までの流れが明示されている。

 もう一つの特徴は、「睡眠薬によって効果も違うのですか?」「睡眠薬より寝酒の方が安心のような気がします」「睡眠薬を服用した翌朝に運転しても大丈夫ですか?」など、不眠症の治療で医療従事者や患者がしばしば直面するQ&Aを集めた点だ。代表的な40の質問に対し、最新のエビデンス(根拠となる研究結果)に基づいた「患者向け解説」「勧告」「医師向け解説」の3種類の回答が用意されている。

治療の「出口」を見えるように

 日本人は睡眠薬の服用を不安視する傾向があり、とりわけ依存や長期使用への不安が強いとされている。こうした背景には、投薬期間や減薬・休薬の指針が明確でないため、治療の「出口」が見えないことがあった。

 今回のガイドラインは、こうした点を明確にして「出口」を見えるようにし、適正で安全な診療が行える道筋を示す狙いがある。

 なお、ガイドラインは日本睡眠学会国立精神・神経医療研究センターの公式サイトで閲覧が可能だ。

(編集部)

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