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おなかに激痛「胆石」、腹腔鏡手術が主流に

 2013年06月18日 11:30

 胆石症は胆のうや胆管などで作られる石が原因で、突然おなかが激痛に襲われる病気。板橋中央総合病院(東京都)腹腔(ふくくう)鏡手術センターの増田浩室長(胆石特診)は「最近では、ほとんどが腹腔鏡による手術で治療が行われています」と話す。腹腔鏡下胆のう摘出術は、胆石だけでなく胆のうを丸ごと摘出する。

家系に多ければ注意

 胆汁は、肝臓でできて十二指腸へ流れ込み食物の消化を助けている。胆汁の中の成分が結晶化した結石が胆石だ。その約8割は胆汁の"貯蔵庫"である胆のうにでき、残りの約2割は管の部分の胆管にできる。

 中年以上、女性、肥満気味、脂質異常症の人に多いほか、「胆のうの形や体質も影響しており、家系的に胆石になりやすい人もいるようです」と増田室長は指摘する。

 治療法は、内服薬で結石を溶かす溶解療法や体外から衝撃波を当てて結石を砕いて排出させる衝撃波破砕療法が開発されてきた。ただ、それに適さない症例も多く、1990年代から行われている腹腔鏡下胆のう摘出術が最近の主流になっている。

入院は3~4日

 腹腔鏡下胆のう摘出術は、おなかに幅0.5~1センチの穴を4カ所開け、内視鏡を入れてモニターに写し出した像を見ながら胆のうを摘出する。手術時間は1~2時間、入院は3~5日。この手術は、胆石だけを取り出すのではなく、胆のうを丸ごと摘出する。

 なぜ、丸ごとなのか。結石の再発防止になるだけでなく、隠れていたがんも摘出でき、手術も比較的易しいからだ。胆のうがなくなっても、胆管が太くなって胆のうの働きをするので何の問題もない。最近では、傷痕や患者の負担を考慮し、穴をさらに小さくしたり、穴の数を少なくしたりするといった方向へ向かっているという。

 増田室長は「胆石の痛みは、みぞおちや右の脇腹、右肩に起こるのが特徴です。胃の痛みや心臓病の発作と紛らわしいのですが、超音波検査で胆石かそうでないかは簡単に分かります。原因を見極め治療法を決めるためにも、消化器外科・内科などの専門医の診察を受けるとよいでしょう」と助言している。

(編集部)

2012年8月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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