妊婦に風疹流行中の日本への渡航延期を勧告―米当局
2013年06月20日 17:34
米国の感染症対策当局である疾病対策センター(CDC)は6月19日、風疹の流行が続いている日本とポーランドへの渡航について、「風疹抗体のない妊娠中の女性は、流行期間中の渡航を避けるべき」との勧告を発表した。注意レベルは新型コロナウイルスの拡大が続いている中東以上で、特に妊娠20週までの女性に注意を呼び掛けている。
3段階中2番目の「警戒態勢」
CDCの渡航注意情報は、レベル1(注意/通常の予防措置)、レベル2(警戒態勢/予防措置を拡大)、レベル3(警告/不要不急の旅行を避ける)の3段階となっているが、日本とポーランドへの注意レベルは2の警戒態勢。新型コロナウイルスこと「MERS(マーズ)コロナウイルス」(病名は中東呼吸器症候群=MERS)の感染が広がっている中東(イスラム教の聖地巡礼期間)や、黄熱が流行しているアフリカのエチオピアは、いずれも注意レベル1にとどまっている。
ポーランドは日本と同様、今年から風疹の流行が拡大し続けており、CDCは両国に渡航する全ての米国民に対し、風疹の予防接種を受けたかどうか確認するよう求めている。
また、妊婦に対しては「予防接種を受けたことや風疹にかかったことがないなど、風疹抗体のない妊婦は流行期間中の渡航を避けるべき」との勧告を提示。特に、妊娠20週までの女性に対しては、「風疹にかかった場合、100人中85人の胎児に先天異常(先天性風疹症候群)が生じる」と強く注意を喚起している。
日本への渡航注意情報は、すでにカナダや英国などでも発表されているが(関連記事1、関連記事2)、妊婦への渡航延期は勧告していない。
(編集部)