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"エイズ完治"新たに2人、骨髄移植受けた患者―米国

 2013年07月05日 17:30

 これまで世界でたった1人とされてきたエイズの治癒例が、新たに2人確認されたと、6月30日~7月3日にマレーシア・クアラルンプールで開催の国際エイズ学会で発表された。記者会見を行った米ブリガム・アンド・ウイメンズ病院のTimothy Henrich医師によると、2人の患者はいずれも米ボストン在住(氏名非公開)で、およそ30年にわたりエイズウイルス(HIV)への感染が認められていたが、併発していたリンパ腫の治療のために骨髄移植を受けたところ、ともにHIVが検出されなくなったという。同学会の公式サイトでは、記者会見の模様が紹介されている。

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投薬中止後もHIV検出されず

 同学会の公式サイトやメディア報道によると、米ブリガム・アンド・ウィメンズ病院でリンパ腫のため骨髄移植を受けた2人のHIV陽性患者が、いずれも移植後の検査でHIVの検出が認められなくなった。2人のうち1人は4年間、もう1人も2年にわたってHIVが検出されない状態が続いているという。

 今年初めに薬物治療(抗レトロウィルス療法)を中止したが、依然としてHIVは検出されていない。Henrich氏は「『治癒(cure)』という言葉は使いたくない」と前置きした上で、「抗レトロウィルス療法の中止後1年あるいは2年間、HIVが検出されない状態ならば、そのときはHIV感染の再発率は非常に低いとの声明が出せるだろう」と述べている。

 なお、今回の発表が行われるまで、世界初にして唯一のHIV治癒が認められていた「The Berlin Patient(ベルリンの患者)」ことTimothy Ray Brownさんは昨年、同学会で記者会見を開き、エイズ治療薬の開発に向けた基金の設立を発表した(関連記事)。

 また、自身のサイトでは「私はエイズが完治した」ではなく、「われわれは完治した」と言えるようになることが夢とつづっている。今回の「The Boston Patients(ボストンの患者たち)」が発表されたことで、Brownさんはもとより、世界中のエイズ患者や治療に携わる研究者や医療者の夢がまた一歩、実現に近づいたのかもしれない。

(編集部)

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