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「風疹ワクチン不足」は起こらない? 厚労省が新たな推計

 2013年07月10日 18:10

 風疹の流行が続く中、大人への予防接種費用を地方自治体が助成し始めたことから、風疹ワクチンや麻疹風疹混合ワクチン(MRワクチン)が不足することが指摘されている。MRワクチンが不足すると子供への接種にも影響するため、医師の中には海外のワクチンを個人輸入する動きも出ているが、厚生労働省は7月2日、このままのペースで接種が行われても、全体の在庫はマイナスにならないとの新たな推計を発表した。

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「出荷の前倒し」でマイナス解消か

 厚労省は6月14日、5月の任意接種回数(約32万回)が今後も続けば、8月頃にワクチンの在庫がマイナスになるとの推計を示した。

 一方、7月2日付で発表された推計では、月35万回の任意接種が行われたとしても、在庫はマイナスとなっていない。その理由として、同省は「出荷の前倒しなどの対応により」としている。

自費の抗体検査は受けるべきか

 厚労省は同日、自治体に対して医療機関でのワクチン在庫の把握、ワクチンの不足や過剰な発注への対策、接種前に抗体検査を行うことなどを求める通知を出した。通知では、自費で抗体検査を受け、抗体が不十分だった人に対して接種費用を助成することが例示されている。

 なお、国立感染症研究所の公式サイトにある「風疹Q&A」には、抗体検査に関して以下の問答が掲載されている。

Q. 風疹の予防接種の前には、まず風疹の抗体検査(風疹に対する免疫があるかどうかの検査)をうける必要があるとききましたが、2度も医療機関に行くのは時間的に大変です。

A. 抗体検査を受け、十分高い抗体価があることが確認された場合には、予防接種を受ける必要がなくなります。しかし、抗体価が低い場合(一般にHI抗体価が16以下の場合)は予防接種が必要になります。

 時間のない場合は、予防接種の前の抗体検査は必ずしも必要ありません。風疹の感染または過去の風疹の予防接種によってすでに免疫を持っている方が再度接種を受けても、特別な副反応がおこるなどの問題はありません。そのような方の場合、予防接種を行うことで風疹に対する免疫をさらに強化する効果が期待されることもあります。

 現在、一部の医療機関ではMRワクチンを子供の定期接種のみに制限する動きのほか、風疹流行を止めようと、大人への任意接種用に海外で広く使用されているおたふくかぜを含めたMMRワクチンの輸入を始めたところもある(関連記事)。

(編集部)

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