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子供の高熱、目・唇が赤い、不機嫌は「川崎病」の疑い

 2013年07月12日 10:30

 川崎病は、毎年約1万人がかかる原因不明の乳幼児の病気。多くの場合は自然に治るが、まれに心臓の冠状動脈にこぶができて命に関わることもあるため、注意が必要だ。この病気の発見者で、小児科医の川崎富作医師(NPO法人日本川崎病研究センター理事長)は「風邪の熱は3日で下がることが多いが、高熱が4~5日続く場合や、両目や唇が赤い、普通の風邪よりも不機嫌な場合は、川崎病の可能性も考えて小児科を受診してください」と話す。

特徴的な6つの症状

 川崎病は主に1~2歳の乳幼児がかかる病気で、主に以下の6つの特徴的な症状がある。それぞれの症状は同時に出ることもあるし、前後することもある。

  1. 発熱。38度以上の高熱が5日以上、場合によっては1~2週間続く
  2. 両方の白目の部分が充血して赤くなる。しかし、目やにはほとんどない
  3. 唇が真っ赤になって、乾き、しばしば切れて出血する。舌は赤く、ブツブツしたイチゴのような状態になる
  4. 首のリンパ節が腫れてすごく痛がる。しかし、決して膿(う)むことはない。しばしばおたふくかぜ(流行性耳下腺炎)と間違われることがある
  5. 全身にさまざまな大きさや形の異なる赤い発疹が出る。しかし、水ぶくれになることはない
  6. 手のひら、足の裏が赤くなって、霜焼けのように腫れ上がる。熱が下がる頃に指先から皮がむけてくる

②白目の充血(左)、③唇の紅潮とイチゴ舌<br>
(川崎病診断の手引き改訂5版より)
②白目の充血(左)と③唇の紅潮・イチゴ舌 (川崎病診断の手引き改訂5版より)
⑤全身の発疹(左)、⑥手の紅斑<br>
(川崎病診断の手引き改訂5版より)
⑤全身の発疹(左)と⑥手の紅斑 (川崎病診断の手引き改訂5版より)

 6症状のうち5つ以上が該当した場合、または4つでも心臓を動かす冠状動脈にこぶができていて、ほかの病気でないことが確認された場合は、川崎病と診断される。

早期診断、治療を

 川崎病と診断された場合は、主治医に従って原則として入院治療し、ガンマグロブリン(免疫グロブリン)という薬の点滴治療を行うことで、冠状動脈のこぶができるのを抑えることができる。こぶができたかどうかは、小児心臓病の専門医を受診し、心臓のエコー(超音波)検査によって確認する。

 原因が分からないため予防はできないものの、早期に正しい診断、治療を受けることで、冠状動脈の障害を抑えることができる。それには常に親が子供の状態に注意し、少しでも疑いがある場合は小児科を受診することが重要だ。

 川崎病と診断されて保護者の多くは非常に心配するが、川崎医師は「川崎病と診断されても、適切な治療を受けさえすれば心配することはありません」と、正しい診断と治療の重要性を強調した。

(編集部)

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