身長高い女性はがんになりやすい―米研究
2013年08月02日 18:00
これまでさまざまな研究で指摘されてきた女性の高身長とがんリスクだが、また新たな研究結果が報告された。米アルバート・アインシュタイン医科大学のGeoffrey Kabat氏らは、米国の女性を対象にした研究（WHI）の参加者14万人を解析したところ、女性の身長が10センチ高くなるごとにがんになるリスクが13％上昇していたと、7月25日発行の米医学誌「Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention」（2013; 22: 1353-1363）。がんの種類別でも身長が高くなるごとにリスクが13～17％上昇したという。
高肥満度よりも多くのがんリスクに関連
これまで、欧米やアジアなどで身長とがんリスクに関する研究結果が発表されてきたが（関連記事1、関連記事2）、Kabat氏らによると、がんに関連する他の要因の影響を除外した報告はほとんどなかったという。
Kabat氏らは、1993～98年に行われたWHI研究に参加した閉経後女性（50～79歳）14万4,701人を12年間（中央値）追跡。年齢、体重、教育レベル、喫煙、飲酒、ホルモン療法などの影響を除外して解析した。
その結果、身長が10センチ高くなるごとにがんリスクが13％上昇することが分かった。また、甲状腺、大腸、子宮、乳房、多発性骨髄腫や悪性黒色腫（メラノーマ）など19種のがんについても、リスクは13～29％上昇していたという。
Kabat氏は、米国がん研究協会の公式サイトで「高身長に関連するがんの種類は、BMI（肥満指数）が高いことに関連するものより多いとの結果が示された」とし、身長とがんリスク関連する仕組みについては「究極的に言うと、がんは成長に伴う一つの過程。つまり、身長の伸びと関連するホルモンなどが、がんの発生にも影響するということだろう」との見方を示した。
（編集部）
