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子宮頸がんワクチンなどで国に要望―小児科学会など

 2013年08月07日 18:30

 国が積極的な推奨を一時中止した子宮頸(けい)がんワクチン(HPVワクチン)について、日本小児科学会(会長=国立成育医療研究センター・五十嵐隆理事長)は8月5日、小児科関連の3団体とともに7月19日付で田村憲久厚労相らに宛てて要望書を提出したと、公式サイトに発表した。接種後の複合性局所疼痛症候群(CRPS)について早急に検討し、増加がなければ推奨中止を即刻解除するよう求めている。このほか、現在流行が続いている風疹、新たなワクチンが登場する肺炎球菌の予防接種についての要望書も提出した。

推奨中止で接種者大幅減少か

 今年4月に定期接種となった子宮頸がんワクチンだが、CRPSなどの副反応(副作用)が相次いで報告されたことから、厚生労働省は6月に積極的な推奨を一時中止し、副反応の件数や予防接種との関係性を検証している。

 定期接種であることに変わりないが、推奨の一時中止によって接種する人の大幅な減少が想定される。日本小児科学会などは「将来、子宮頸がんを発症する者が出ることが予想される」と懸念。推奨中止の根拠となっているCRPSの発生頻度が、海外の報告や国内の献血に比べて多いのかどうかなど、早急な検討が必要とした。

 その上で「接種後のCRPSの明らかな増加がなければ、有効性とリスクを勘案し、勧奨中止を即刻解除することを要望する」としている。

風疹の要望書は5月に続き2度目

 流行中の風疹への対策に関しては、厚労省がこれまでに出した注意喚起だけでは流行を抑えるのに不十分で、風疹や風疹による胎児の先天異常(先天性風疹症候群)の予防には「ワクチン接種が極めて有効かつ唯一の方法」と指摘した。

 一方、自治体による予防接種への公費助成が広がっているにもかかわらず、財政的な問題で助成を行えない地域もある現状を説明。厚労省の専門科会議に対し、現在の流行の中心である成人の予防接種につながる緊急対策と、中期的な施策を早急に厚労相に提言するよう求めた。

 同学会は今年5月23日にも、風疹の予防接種を予防接種法上の臨時接種とするよう厚労相宛てに要望書を提出している。

小児肺炎球菌「補助的追加接種も定期接種に」

 7価(7種類のウイルス)ワクチンから13価(13種類のウイルス)ワクチンへの切り替え方針が話し合われていた小児用肺炎球菌ワクチンについては、"年内"といわれている13価ワクチンの登場を待ち、「7価ワクチンの接種控え」が起きないよう早期の指針策定を要望。また、一斉切り替え後にすでに7価ワクチンの規定回数を完了した子供に、13価ワクチンを定期接種として1回追加接種(補助的追加接種)するよう求めていた。

 なお、今回の要望書提出から4日後に開かれた専門家会議では、「補助的追加接種は有効性、財政上の問題などから任意接種とする」との提言が覆ることはなかった。

(編集部)

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