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経口避妊薬で難病に? クローン病リスク3倍―米研究

 2013年08月19日 18:00

 避妊目的だけでなく、月経に伴う症状の緩和や子宮内膜症などの治療に使われている経口避妊薬(ピル)。日本でも1998年の認可以来、多くの人が使用しているが、長期間使うことでがんになるリスクが高まるなど、さまざまな副作用が指摘されている。米ハーバード大学医学部のHamed Khalili氏らは、米国の女性23万人分のデータを調べた結果、経口避妊薬を服用している人では、腹痛や下痢が繰り返し続く難病「クローン病」になるリスクが3倍に増えると、英医学誌「Gut」8月号(2013; 62: 1153-1159)に報告した。

過去の使用でもリスク1.4倍に

 Khalili氏らは,米国の女性を対象とした2つの研究(NHSⅠ、NHSⅡ)に登録した女性計23万2,452人のデータを使い,経口避妊薬とクローン病などとの関係を調べた。

 その結果,現在経口避妊薬を使っているグループでは、使っていないグループと比べてクローン病になるリスクが2.82倍に増えることが分かった。過去に経口避妊薬を使用っていたグループではリスクは減ったものの,それでも使っていないグループの1.39倍だったという。

 一方、クローン病と同じ消化器系の難病である「潰瘍性大腸炎」と経口避妊薬の関係は、喫煙歴のあるグループのみで認められた。

 クローン病と潰瘍性大腸炎は腹痛、下痢、血便などの症状を繰り返す原因不明の慢性炎症性腸疾患。潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜に炎症や潰瘍が発生する病気で、日本では約12万人の患者がいる。クローン病は大腸や小腸をはじめ、口や食道、胃などあらゆる消化管に炎症や潰瘍が発生する病気で、日本の患者数は約3万人。ともに厚生労働省の特定疾患に指定されている。女性では、喫煙によってもリスクが高まるとの研究結果が報告されている(関連記事)。

(編集部)

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