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喫煙したことがある人は急激な肺機能の低下に注意

 2013年09月20日 10:30

 息切れを起こし、重症化すると日常生活が困難になる「COPD(慢性閉塞=へいそく=性肺疾患」(関連記事)。日本人男性の死因の第7位にランキングされており、患者の9割が喫煙者との報告もあるが、禁煙した人でも注意が必要のようだ。米ラブレース呼吸器研究所のHans Petersen氏らは、肺機能が急激に下がった喫煙経験者ではCOPDになるリスクが1.9倍に上ると、9月5日発行の米医学誌「Chest」(電子版)に報告した。

急激に低下した人に「高年齢」「肥満度低い」などの特徴

 喫煙者は皆、同じように肺機能(FEV1=めいっぱい息を吸い込んでできるだけ速く吐き出したときの、最初の1秒間の息の量)が低下すると考えられてきたが、近年になって患者によってわずかに低下した人、急激に低下した人、逆に改善した人がいることが報告されている。

 Petersen氏らは、米ニューメキシコ州の喫煙者および喫煙経験者を対象にした研究の登録者のうち、喫煙経験者1,170人(平均年齢56.3歳)を対象とした。FEV1は標準値に対して80%以上が正常とされているが、対象者の平均値は88.3%だった。

 すでにCOPDになっていた人などを除いた809人を検討した結果、5.9年間の追跡期間中にCOPDになった人は77人。FEV1が年間30ミリリットル以上低下した「急激に低下」グループのCOPDリスクは1.88倍だった。

 また、「急激に低下」グループの特徴として、「年齢が高い」「中南米系(ヒスパニック)の割合が低い」「BMI(肥満指数)が低い」「糖尿病にかかったことがある人が少ない」などの特徴があった。なお、高血圧の治療薬「ACE阻害薬」を服用している人では、FEV1が急激に低下するリスクが45%減っていたという。

(編集部)

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