歯を冷凍保存する「ティースバンク」、治療の流れは?
2013年11月14日 06:00
<専門家へきいてみよう 「質問する」より>
〔症例〕 30代 女性
〔症状〕 自分の歯を冷凍保存する「ティースバンク」は、希望さえすればすぐに抜歯して預けられるのでしょうか。
診査診断、および、血液検査を受けてから抜歯します。
歯の冷凍保存では、全国に250件ある協力歯科医院、または大学病院で下記の診査が必要です。
・保存したい歯が虫歯や歯周病になっていないか
・レントゲン写真やCT画像で、歯を支える骨の状態や歯の生え方に問題がないか
・歯を傷つけることなく抜歯ができるか
これらの診査をして、歯の冷凍保存と移植ができると診断されたあとは、C型肝炎、B型肝炎、水痘(水ぼうそう)などの感染症にかかっていないかを確認するため、任意の病院で血液検査を受けていただきます。検査対象すべての項目が標準値、陰性であれば、「ティースバンク(広島大学病院矯正歯科内)」に同意書を提出して登録を行います。
これらのステップを踏んで、血液検査から半年以内に抜歯処置を行い、歯を冷凍保存して預けていただきます。
将来的に、虫歯や歯周病などで歯を抜く場合、抜歯をする前に「ティースバンク」にご連絡いただくと、預けた凍結保存歯を指定の歯科医院へ搬送、解凍して移植します。歯の再生医療としてはとても簡単な方法です。
指導・監修
河田 俊嗣(かわた としつぐ)
神奈川歯科大学 口腔科学講座 歯科矯正学 教授