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子供のビタミンD欠乏症、骨の成長に悪影響

 2013年12月06日 06:00

 体の中のビタミンDが不足すると、骨の成長に異常が出てくる。急速に成長している乳幼児ならばなおさらで、くる病やO(オー)脚を招く恐れもある。こうしたビタミンD欠乏症は、潜在的なケースを含めると推定で乳幼児の約3割に見られるという。東京都立小児総合医療センター内分泌・代謝科の長谷川行洋部長に、生活の中での注意点などを聞いた。紫外線の量が減る冬は、特に注意が必要だ。

母親の影響大きい

 骨の形成にはカルシウムとリンの付着が必要だが、その働きを助けるのがビタミンD。不足すると乳幼児では低カルシウム血症で痙攣(けいれん)を起こし、年長になるとくる病や成長障害、O脚など骨の異常を伴う。

 ビタミンD欠乏症の原因のうち生活の中で注意が必要なものとして、長谷川部長は次の3つを挙げる。

  1. 妊娠時に母親がダイエットなどでビタミンD欠乏なって胎児に影響
  2. 食物アレルギーなどの食事制限による子供の栄養不足
  3. 母子ともに行き過ぎた紫外線対策

 「ダイエットでビタミンDが欠乏している若い女性が多くみられます。こうした女性が妊娠・出産すると、胎児の時だけでなく母乳もビタミンD不足になり、赤ちゃんの成長に悪い影響を与えるのです」

極端な健康志向に惑わされないで

 食事制限では、食物アレルギーがなくても、健康志向で野菜中心の食生活にする人がいる。野菜類に含まれているビタミンDは少なく、不足しやすい。紫外線ついては、ビタミンDは皮膚からの吸収によって作られるので、紫外線を極端に避けるのはよくない。

 「ビタミンDは肉、魚、卵や乳製品に多く含まれています。子供がこれらの食品にアレルギーがある場合は、医師と相談しながら食生活を見直していくとよいでしょう。食物アレルギーがない子供では、食品の数を多く取れば欠乏の心配はありません」(長谷川部長)

 このようなビタミンD欠乏症の原因は、いずれも極端な健康志向や誤解によるところが大きい。長谷川部長は「ビタミンD欠乏症に限らず、幼い子供の健やかな成長を願うなら、両親は極端な健康志向に惑わされないように」と助言している。

(編集部)

2012年11月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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