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赤い口紅でアレルギーに? コチニール色素が原因

 2013年12月10日 10:30

 藤田保健衛生大学(愛知県)皮膚科の矢上晶子准教授は、東京都内で開かれた第63回日本アレルギー学会(11月28~30日)で、口紅などに含まれる赤い天然着色料「コチニール色素」によってアレルギーを起こす女性が多いという、同学会の緊急調査結果を報告した。アナフィラキシーなど重度の症状が多かったという。コチニール色素によるアレルギーについては、昨年5月に消費者庁が注意を呼びかけていた。

ハムやマカロン、「カンパリ」にも

 コチニール色素は、サボテンに寄生する昆虫「コチニールカイガラムシ」から抽出した色素で、口紅やアイシャドーだけでなく、ハムやかまぼこ、洋菓子のマカロン、リキュールの「カンパリ」などの食品、医薬品にも利用されている。

 消費者庁は、コチニール色素を含む飲み物とアナフィラキシーに関する国内の研究情報が提供されたことを受け、昨年5月に注意喚起を発表。コチニール色素を含む化粧品や食品などによって体調の変化を感じた場合、すみやかに専門医を受診するよう呼びかけていた。

被害者のほとんどが女性

 同学会は今回、1,800施設以上の皮膚科専門医療機関を対象に、アレルギーに関するアンケートを実施。580施設から回答が得られた。

 化粧品によるアレルギーといえば、大規模な被害を出した旧「茶のしずく石鹸」(関連記事)が挙げられるが、今回の調査では、このせっけんに含まれていた原因成分「加水分解コムギ末」以外による被害も33人いることが判明。そのうち31人が女性で、15人でアナフィラキシー、2人で呼吸困難がみられた。原因はコチニール色素が多く、アレルギーを誘発した化粧品は口紅が8人、食品はマカロン(赤色)が7人、「カンパリ」が3人など。

 さらに、矢上准教授が過去の報告を調べたところ、アナフィラキシーが多く、被害者は全て女性。アレルギーを誘発したのは「カンパリ」、赤いジュース(ともに7人)、マカロン(6人)、魚肉ソーセージ(2人)などが挙げられていた。

 矢上准教授は、これらの症例は口紅などによってコチニール色素が皮膚に取り込まれた後、コチニール色素を含む食べ物や飲み物を取ることで症状が現れるようになった可能性があると推測している。

(編集部)

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