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若い女性の痩せ過ぎ―生理止まり、更年期状態に

 2013年12月12日 06:00

 ダイエットに励む女性は痩せ過ぎにご用心。痩せ過ぎると本人はもちろん、妊娠時には赤ちゃんの健康にも影響する。静風荘病院(埼玉県)女性外来の天野恵子医師は「適正体重を保ってほしい」と呼びかける。

骨や脳にも影響

 適正体重は年齢などによって多少の差はあるが、BMI(肥満指数)が19~23の範囲内。18.5未満は痩せ過ぎとされている。BMIは、体重(キロ)を身長(メートル)の2乗で割った値だ。

 若い女性の痩せ過ぎの問題点について天野医師は「まず栄養状態が悪いため生理が止まって、若くても更年期と同じ状態になり、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)を起こす可能性が高くなります。さらに、激痩せでは脳にも悪影響を及ぼします」と指摘する。

 女性ホルモンのエストロゲンは脳の神経伝達物質であるセロトニンと関係していて、低栄養でエストロゲンが減るとセロトニンも減少するため、いらいらしたり、うつになったりする。

新生児の体重が減少

 こうした本人の健康問題に加え、妊娠したときには胎児に悪影響を及ぼす。その典型例が低体重の新生児の増加だ。

 「新生児の平均体重は3キロ台が適正体重なのに、現在は平均で3キロ以下になっています。新生児の体重が2.5キロを割ると保育器で発育を見守る必要性が高くなります」(天野医師)

 食糧事情の悪かった第2次世界大戦下のオランダで、低体重で生まれた子供を数十年間追跡調査したところ、適正体重で生まれた子供に比べ、生活習慣病や精神疾患を発症するケースが多かったという報告もある。

 同様に、過激なダイエットによる痩せ過ぎは母子ともに健康をむしばむ。天野医師は「痩せている方が美しいと思い込んでいる女性は多いのですが、栄養バランスの良い食事を適量取り、散歩など軽い運動で脂肪を燃やして適正体重を保つように」とアドバイスしている。

(編集部)

2012年11月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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