2013年の健康対策&2014年の課題トップ5発表―米当局
2014年01月17日 10:30
発展途上国に比べて医療を受けやすい先進国でも、感染症から生活習慣病まで健康の問題は山積している。こうした問題に2013年はどんな対策が取られ、有効だったのか、米国の健康対策当局である疾病対策センター(CDC)がトップ5を発表した。同時に、今年の課題トップ5についても公表している。
健康対策1位は禁煙キャンペーン
2013年の健康対策の1位は、政府主導の禁煙キャンペーン「Tips From Former Smokers(元喫煙者からの助言)」。たばこが原因の病気に苦しむ元喫煙者を起用して禁煙を呼びかけるもので、10万人以上の喫煙者が永久的な禁煙の意思を示したと見積もられている。
2位は、米国での主な食中毒の原因菌で、時に命も奪うこともあるリステリア菌の解析法「パルスフィールドゲル電気泳動法(PFGE)」。この方法によって、感染源の特定がすぐにでき、集団感染への対応が可能になったという。
3位は禁煙や運動、減塩などの啓発による心血管病減少キャンペーン「Million Hearts(100万の心臓)」。4位は、CDCが作り上げた医療関連する感染症の調査・管理体制の強化で、手術部位感染などが20~44%減少したことが挙げられている。
5位は「President's Emergency Plan for AIDS Relief(PEPFAR=大統領エイズ救済緊急計画)によるHIV(エイズウイルス)・エイズ対策。ジョージ・ブッシュ前大統領によって始められたこの計画は、途上国のエイズ対策に資金提供するというもの。オバマ政権下でも継続しており、開始から10年を迎えた2013年までに100万人の乳児のHIV感染が予防でき、670万人が治療を受けられ、対象国のほとんどでエイズの発症率が低下したなどの成果が示されている。
2014年の課題は「子宮頸がんワクチン接種率上昇」など
CDCは同時に、2014年以降の健康に関する危機的な課題についてトップ5を公表した。5項目のうち、4つが感染症やワクチンに関するものだった。
1.薬剤耐性菌
2.処方鎮痛薬の乱用および過剰使用
3.感染症の世界的拡大に備えるためのグローバルヘルスの充実
4.10歳前後の少年少女に対する子宮頸(けい)がんワクチン接種の啓発と接種率上昇
5.世界でのポリオ根絶
(編集部)