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いくつ当てられる? 最近分かったたばこ関連の病気

 2014年02月05日 10:30

 たばことの関連が指摘されている病気として肺がんなどの呼吸器疾患、心臓病や子供の乳幼児突然死症候群(SIDS)、感染症などが知られている。1964年の初報告から今年50年目を迎えた米公衆衛生局長官の報告「喫煙と健康」では、喫煙や受動喫煙との関連が新たに判明した病気や病態を見ることができる。さて、いくつ分かる?

50年前は医師も「安全なたばこ」の宣伝に登場

 米疾病対策センター(CDC)は1月17日のリリースによると、公衆衛生局長官の報告が最初に発行された1964年、人々はレストランや飛行機、職場、病院でも喫煙していたという。雑誌や新聞に"マルボロマン"が登場し、子供はたばこをかたどったあめで喫煙をまねていた。また、医師が「あるブランドのたばこは、安全で刺激が少ない」との企業の宣伝に協力していたなどのエピソードを披露。当時、人々の日常生活にたばこがいかに浸透していたかを説明している。

 そんな中、1964年に当時の公衆衛生局長官Luther Terry氏の下で、喫煙と健康に関する報告が発表された。喫煙が男性の肺がんや心臓病に関連することを科学的なデータに基づいて解説したこの報告は、米国の喫煙予防とコントロールの推進の基礎資料となった。

 CDCによると、この50年のたばこに対する取り組みの成果として、①米国民の喫煙率は1964年の42%から20%以下に減少、②テレビやラジオでのたばこ広告を禁止、③ワシントンと26州では職場、バーやレストランを含む公共スペースでの喫煙を法律で禁止したこと―を挙げている。一方、喫煙は依然として"防げる病気の原因"の上位にとどまっており、年間48万人がたばこに関連した病気で死亡、医療や生産性損失にかかる費用が年間2,800億ドル(約28兆円)に上っていると指摘している。

喫煙による火災も「たばこ関連死」

 今回の報告では1965年~2014年に喫煙や受動喫煙で2,083万人が寿命より早く死んでいると報告。この中には、喫煙に関連するがんや呼吸器疾患、心臓病のほか、喫煙による住宅の火災による死者(8万6,000人)も含まれている。

 報告には、喫煙や受動喫煙に関連する健康被害の一覧も掲載された(赤字は今回の報告で新たに追加された病気)。

喫煙と関連する病気

  • 口腔(こうくう)咽頭がん、喉頭がん、食道がん、気道・気管支・肺がん、急性骨髄性白血病、胃がん、肝臓がん、膵臓(すいぞう)がん、腎臓・尿管がん、子宮がん、膀胱(ぼうこう)がん、大腸がん
  • 脳卒中、失明、白内障、加齢黄斑変性妊娠中の喫煙による先天性口唇・口蓋裂(こうがいれつ)、歯周病、大動脈瘤(りゅう)、若年成人期からの腹部大動脈の硬化、冠動脈疾患、肺炎、動脈硬化性末梢動脈疾患、慢性閉塞(へいそく)性肺疾患、結核、喘息(ぜんそく)、その他の呼吸器疾患、糖尿病、女性の生殖機能の低下(妊孕性=にんようせい、妊娠しやすさ=の低下など)、大腿骨近位部骨折、異所性妊娠(子宮外妊娠)男性の性機能低下(勃起不全=ED)関節リウマチ免疫機能への影響、健康状態全般の悪化

受動喫煙と関連する病気

  • 子供:中耳の病気、呼吸器症状、肺機能の悪化、下部呼吸器疾患、SIDS
  • 大人:脳卒中、鼻の刺激症状、肺がん、冠動脈疾患、女性の生殖機能の低下(低出生体重)

(出典:U.S. Department of Health and Human Services"The Health Consequences of Smoking - 50 Years of Progress")

(編集部)

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