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"皮膚の風邪"結節性紅斑、脚や腕に紅色の斑点

 2014年02月14日 06:00

 "皮膚の風邪"とも呼ばれる結節性紅斑は、脚に大小さまざまの紅色の斑点が現れる。発熱や喉の違和感などの症状を伴うことから、風邪と間違えて冬は発見が遅れ、入院が必要となることもあるという。京都大学医学部付属病院皮膚科の谷岡未樹講師は「熱に続いて紅斑が出たら皮膚科受診を」と呼びかけている。

関節の痛みも

 喉がいがいが、がらがらする。熱が出て、体がだるく、関節が痛む。風邪と思っていたら、膝から下に紅色の斑点が現れる―。結節性紅斑の典型的な症状だ。紅斑は主に脚や腕などに現れ、次第に盛り上がり硬くなる。触ると熱っぽく、皮下脂肪に炎症を起こしているため、押すと痛みがあるのが特徴だ。

 「500円玉くらいの大きさが幾つも現れたり、すね全体に広がったりする。場所によっては痛くて歩けず、熱が続くことから入院が必要となることもあります」と谷岡講師は説明する。

 結節性紅斑は、見た目の症状から付いた呼び名。このため、背景にある病気を探すことが重要になる。溶連菌という細菌への感染や、薬によるアレルギー反応であることが多く、この場合は風邪のような症状に続いて起こる。しかし、まれにベーチェット病やサルコイドーシス、潰瘍性大腸炎などの病気が潜んでいることがある。

安静が大切

 検査は採血と、紅斑部分の皮膚を採取して組織を調べる。また、ベーチェット病の主症状である口内炎を繰り返していないか、下痢や下血はないか、新しく飲み始めた薬はないかなどの問診も行われる。

 治療は、他の病気が見つからなければ安静が最も重要。症状により鎮痛薬や抗炎症薬、ヨードカリ(ヨウ化カリウム)を飲む。1週間ほどで熱は下がり、紅斑も現れなくなるという。

 谷岡講師は「20~30歳代をピークに女性に多く、皮膚科では珍しい病気ではありません。熱が続くと、特に高齢者の方は自ら風邪を疑って内科を受診することがあります。熱に続いて紅色の斑点が現れるようなら、皮膚科を受診してください」とアドバイスしている。

(編集部)

2013年2月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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