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男性にも骨粗しょう症、背景にビタミンD不足

 2014年02月20日 06:00

 男性は女性に比べて骨粗鬆(しょう)症になることが少ないといわれているが、50歳を過ぎて疲労骨折や剥離骨折の経験がある男性は用心したい。鍵はビタミンD不足にあるという。星ヶ丘厚生年金病院(大阪府)整形外科の中瀬尚長部長は「栄養管理を考えないダイエットが拍車を掛ける」と警鐘を鳴らす。ビタミンDの供給源である日光を浴びる量が減る冬は、特に注意が必要だ。

疲労骨折や剥離骨折が

 疲労骨折は、小さな負担が繰り返し加わった場合に起きる。剥離骨折は、筋肉の力で骨が引っぱられて剥がれる骨折。通常の骨折ほどの痛みはないので、捻挫と勘違いすることがある。

 いずれも、激しくない運動や日常生活の中で起こす中高年男性が増えており、その背景にはダイエットなどによるビタミンD不足があるという。

カルシウムの吸収を助ける

 ビタミンDは、カルシウムが腸から体内に取り込まれる働きを助け、一部は骨に蓄積される。カルシウムは筋肉の動きや神経の働きといった、生命を維持するための活動に重要なミネラル。骨への蓄積よりも血液中の濃度を保つ方が優先される。そのため、ビタミンDが不足すると骨へのカルシウム供給量が減る。この状態が続いて骨はもろくなり、骨折の危険が増すことになる。

 骨粗鬆症にかかりやすいのは閉経後の女性とされるが、男性も中年期以降は注意が必要。ビタミンD不足が骨折頻度を高めるという報告があり、「欠乏」と診断されればビタミンD剤の補給が有効となる。

 「50歳以上の男性がダイエットする場合は、できれば骨密度を測り、病院の市民向け講座などを利用して栄養に関する正しい知識を身につけるなど、ビタミンD不足に陥らない注意が必要です」と中瀬部長は話している。

 なお、ビタミンDはキクラゲなどに多く含まれている。

(編集部)

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