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子供が頭をぶつけたらどうするべきか―専門医が解説

 2014年02月24日 06:00

 つかまり立ちから歩き始め、やがて走り回るようになる。この頃の子供は成長が楽しみな一方、転んで家具や床などに頭をぶつける危険性が高まるため、親は心配だ。万一、頭をぶつけた場合、どうやって対処すればよいのか。東京女子医科大学八千代医療センター(千葉県)の寺井勝病院長(小児科)に聞いた。意識がない、痙攣(けいれん)がある、出血が止まらないといった場合は救急受診をした方がよいという。

たんこぶも軽視しないで

 つかまり立ちができるようになる生後8~12カ月は、頭の重さが体重の5分の1から4分の1を占めるため、バランスが悪い。また、頭の骨は薄くて軟らかいので、ソファぐらいの高さから落ちただけでもケガをしやすい。

 寺井院長は「家事に気を取られて子供を洗濯機の上に座らせたことを忘れ、気付いたら床に落ちていたというケースもあります。高所になるほど落ちて頭を打ったときの衝撃は大きく、重傷になる可能性が高くなります」と説明する。

 子供の頭部打撲で最も気を付けなければならないのは、硬膜外出血など頭蓋骨と脳を隔てる膜の部分で出血した場合だ。血液が脳を圧迫してさまざまな症状を引き起こす。だんだんと元気がなくなり、意識状態が変わった場合は要注意。通常は6時間以内に症状が出ることが多い。

 「意識がない、痙攣(けいれん)がある、出血が止まらないといった場合は救急車を呼んでください。何度も嘔吐(おうと)したり、大きなたんこぶができたりした場合も、できるだけ早く救急病院へ連れていった方がよいでしょう。すぐに泣いて、他に症状がなければ様子を見ながら、心配ならかかりつけ医に診てもらうことをお勧めします」と寺井院長は助言する。

歯ブラシやスプーンなどにも注意

 子供の事故を防ぐには、とがった物や硬い物は片付けておく。また、歯ブラシ、スプーン、フォーク、ストローなど、口にくわえたまま転倒すると危険な物は、子供の手の届くところには置かないようにする。

 日本小児科学会によるウェブサイト「子どもの救急」では、頭を強くぶつけたときの症状と対処法などを紹介している。また、厚生労働省の小児急病電話相談(電話番号は♯8000)も、主に平日・休日の夜間に開設されている。

(編集部)

2013年3月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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