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唐辛子で霜焼けが予防できる?

 2014年03月11日 06:00

 新潟生まれの新潟育ちですが、冬になると「霜焼け予防に」と、母が長靴に唐辛子を入れてくれました。これって本当に効くのでしょうか?むしろ(特に子供の)皮膚に悪影響だったりして?

すーやん(30代女性)

唐辛子では必ずしも霜焼けを予防することはできません。

 霜焼けは「凍瘡(とうそう)」という病気です。寒さのために血行が悪くなって起こる炎症で、手足の指、耳たぶ、鼻先や頬などにできやすく、発症には遺伝的な要素や栄養状態などの関与も考えられています。

 最低気温が5度前後で、1日の変動が10度ぐらいになると要注意です。厳冬期よりも冬の初めと終わりに多く見られます。

 霜焼けの予防には、手や足先など冷たい外気や水にさらされる部位の保温を心がけるのが大切。また、温度だけでなく湿度も関係していて、手足がぬれたままの状態でいたり、ぬれた靴下や手袋のままで寒冷刺激を受けたりすると、気化熱の作用で霜焼けを起こしやすくなります。ぬれた時には水気をよく拭き取り、ぬれた靴下や手袋はすぐに取り替えることを心がけたいものです。

 血行を良くするビタミンEを多く含んだカボチャやホウレンソウなどの摂取や、ビタミンEを含んだクリームによるマッサージにも予防効果があります。

 唐辛子を布で包んで靴の中に入れたり、カイロの代わりに腹巻きの中に入れたりして、体を温める習慣は古くから伝えられています。最近は、保温効果があるとの触れ込みで唐辛子エキスを練りこんだ靴下も市販されています。温湿布には唐辛子エキスが含まれていて、貼るとジワリと温かさを感じます。

 唐辛子の成分であるカプサイシンが皮膚温を上げるからとも、ピリピリする強い刺激によって血行を良くして温かく感じるからともいわれていますが、はっきりとしたことは分かっていません。

 「長靴に唐辛子」が霜焼け予防にどれだけ効果があるのかは不明ですし、ご心配なさっているように刺激が強いことを考えると、積極的にはお勧めできません。

中野 里美(なかの さとみ)

 1990年、東京女子医科大学卒業後、慶應義塾大学医学部内科学教室に入局。都立広尾病院、国立病院機構栃木病院などを経て、2007年から三菱UFJニコス株式会社診療所勤務。同社において初代統括産業医として、社員の健康管理を行っている。日本内科学会総合内科専門医、日本糖尿病学会専門医、日本医師会認定産業医、労働衛生コンサルタント。

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