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インフル「B型はA型より軽い」は誤解? 米当局報告

 2014年05月19日 10:30

 2013~14年シーズン、後半に報告数が増えたB型インフルエンザウイルス。A型(香港型もしくはH1N1pdm09)とB型の両方に感染してしまった人もいるのではないだろうか。B型はこれまで"A型に比べて症状が軽い"といわれていたが、米国の感染症対策当局である米疾病管理センター(CDC)は5月2日、公式サイトで「B型の重症度はA型と変わらない」とする調査結果を発表した。

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入院期間や死亡率などに差なし

 インフルエンザウイルスにはA、B、Cの3型があり、流行するのはA型とB型のみ。A型にはさらに香港型(H3N2)、ソ連型(H1N1)、H1N1pdm09など多くの亜型がある。毎年、世界的に流行するA型と比べ、B型は多いシーズンと少ないシーズンがあるとされている。

 インフルエンザウイルスの型で医師の間でもいわれているのが、"B型はA型よりも症状が軽い""B型はタミフル(一般名オセルタミビル)が効かない"など。今回報告したCDCインフルエンザ部門のSu Su氏らも「B型に感染した場合の症状は、A型よりも軽いと考えられることがある」と指摘している。

 今回の検討では、2005~06年シーズンから12~13年シーズンに米国内でインフルエンザによって入院した2万6,765人(A型2万3,186人、B型3,579人)について、ウイルスのタイプ別に死亡や集中治療室(ICU)入室など、その後の経緯を調べた。

 その結果、どちらの型でもICUに入る割合に差がなかったほか、重症になる危険性の高い65歳以上でも入院期間、ICU入室率、院内死亡率に差が見られなかった。

タミフルの効き目も変わらず

 また、タミフルを服用したA型患者(1万7,089人)とB型患者(2,200人)の検討でも、入院期間や死亡率に統計学的に意義のある差が認められなかった。つまり、A型でもB型でもタミフルの効果に差がないことが示唆されたことになる。

 Su氏らは、入院患者はA型の方が圧倒的に多いが、ウイルスの型によって入院期間、ICU入室率、院内死亡率に差が見られなかったと指摘。さらに、タミフルなどの抗ウイルス薬治療についても「ウイルスの型にかかわらず行うよう推奨する」としている。

(編集部)

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