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食後の運動でじんましん、小麦製品や甲殻類など原因

 2014年05月26日 06:00

 食後1~2時間以内に強めの運動をすると、体全体にじんましんが出て呼吸が荒くなり、血圧が下がって立っていられなくなる症状が起きることがある。食物依存性運動誘発アナフィラキシーと呼ばれ、男子中学生に多く、小麦製品やエビやカニなどの食べ物と運動が原因とみられる。救急措置が必要となる。東京都立小児総合医療センターからだの専門診療部アレルギー科の赤沢晃部長に聞いた。

ブドウやモモでも

 食物依存性運動誘発アナフィラキシーは、食物アレルギーの一種。パンやうどんなどの小麦製品やエビ、カニなどの甲殻類、ブドウやモモの果実などを食べてから、多くは1~2時間以内にサッカーやバスケットボールなど激しい運動をすると症状が表れる。

 「発症のメカニズムは、例えばパンを食べて激しい運動をすると、小麦に含まれるタンパク質が大量に腸管から吸収されて免疫反応が起こります」と赤沢部長は話す。

 中高校生、青年など若い世代に多い。中でも中学生は6,000人に1人が発症するといわれ、男女比は4対1と男子が多い。発症時間は80%が昼食後だ。

食後4時間は運動しない

 病院では、気道の確保をはじめ、血圧を上昇させるためのアドレナリン注射や、免疫作用を抑える副腎皮質ステロイド薬の投与などの措置を行い、症状の改善を図る。

 診断では、食事の取り方や内容、日頃の運動も含めて生活全般について詳しく問診が行われる。検査は、疑わしい食事と運動を組み合わせての誘発試験を繰り返して原因を追究し、治療方針を決める。また、再発に備えてアドレナリンの自己注射器(エピペン)の携帯保持が勧められている。

 「予防には、原因食品を食べたら4時間は運動しないこと。運動するのであればその前の4時間は原因食品を食べないことです」と赤沢部長はアドバイスしている。

(編集部)

2013年5月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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