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夏に増える子供の手足口病、2~3ミリの水疱

 2014年06月06日 06:00

 夏に子供がかかりやすい病気の一つが手足口病だ。手、足、口の中に2~3ミリの水疱(すいほう=水ぶくれ)ができるが、たちが悪いものではなく、自然に治ることが多い。「まれに重い症状が出ることもあるので、その場合は早めに受診を」と、国立感染症研究所(東京都)感染症情報センター病原診断室の藤本嗣人室長は助言する。

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ほとんどは5歳以下

 藤本室長によると、手足口病の患者数は例年4月頃から増え始め、7月頃に頂点に達する。患者は5歳以下が9割を占めるという。

 エンテロウイルスというグループに属する幾つかのウイルスが引き起こす感染症で、コクサッキーウイルスA16型とエンテロウイルス71型が主な原因だ。飛沫(ひまつ=せきやくしゃみなどによって飛び散る体液の粒子)、接触、糞口(便の中に排せつされたウイルスが口に入ること)などの経路で感染する。

 感染したウイルスは3~5日間体内に潜伏してから症状を起こし始める。2~3ミリの水疱が口の中や手、足のほかに、膝、肘、尻などに現れることもある。3人に1人の割合で発熱が見られるが、38度以下のことが多い。症状は通常、3~7日で消えていく。

 ごくまれに髄膜炎、脳炎などを起こすこともある。その場合は、エンテロウイルス71型が強く疑われる。「エンテロウイルス71型は3~4年に一度流行する傾向が見られます」と藤本室長は話す。エンテロウイルス71型の流行は過去10年で2010年が最大、2013年はそれに次ぐ流行だった。

頭痛や嘔吐は受診

 2011年に手足口病が大流行した際の原因は、コクサッキーA6型という別のウイルス。それまでヘルパンギーナという夏風邪を起こしていたが、最近になって手足口病にも絡むようになったという。

 手足口病の治療については、「感染しても発病しないことが多く、特別なものはありません。ほとんどの人が子供の頃にかかって免疫をつけてきた感染症なので、必要以上に心配することはありません」と藤本室長。

 元気がない、頭痛や嘔吐(おうと)、高熱などが見られる場合は、髄膜炎などの可能性もあるため、小児科を受診した方がよい。感染から守るためには、日頃からせっけんなどでしっかりと手洗いするように教えることが大切という。

(編集部)

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