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円形脱毛症、ストレス原因は2割ほど―多い自己免疫疾患

 2014年06月11日 06:00

 円形脱毛症は、日本人の1~2%に見られるとされており、男女とも幅広い年齢層に起こる。ストレスのせいにしがちだが、実際には2割にとどまり、多くが自己免疫疾患という。自分の判断に頼らないで皮膚科を受診した方がよい病気だ。円形脱毛症のさまざまなケースについて、帝京大学医学部付属溝口病院(神奈川県)皮膚科の清佳浩教授に聞いた。

全身の脱毛と爪の変形も

 円形脱毛症は髪の毛が円形状に抜ける皮膚の病気。ストレスによるケースと、本来は外敵から体を防御する役目のリンパ球が自分の毛髪を敵とみなして攻撃する自己免疫疾患のケースがある。

 それぞれの特徴について、清教授は次のように話す。「ストレス性は2割ほどで、症状は通常、円形の脱毛が1~2個と比較的少ないのです。残り8割は自己免疫疾患で、ストレス性と違って円形状の脱毛が多発します。ひどい場合は、脱毛が全身に及びます。また、爪の変形を伴うこともあります」

 これは、爪を作る細胞が毛を作る細胞の性質に似ているためと考えられている。ストレス性は原因が解消できれば自然に治るが、自己免疫疾患では医師による適切な治療が必要だ。

養毛剤は使わないで

 このため、円形状の脱毛が多発した場合は、最寄りの皮膚科を受診した方がよい。診断は脱毛の状態でつくという。「自己免疫疾患では、抜けた毛の根っこが細く小さくなっていたり、毛が途中から折れていたりする特徴があります」(清教授)

 治療法は、軽い場合は毛根の膜を保護する作用のあるセファランチンアルコール、血流を良くする塩化カルプロニウム、あるいは自己免疫反応を抑えるステロイド薬の塗り薬(外用薬)が用いられる。

 清教授は「ひどい場合は、局所免疫療法といって外用薬で局所に人工的にかぶれを起こし、防御するリンパ球を増やす治療法が行われます。有効率は90%以上に達しています」と説明。円形脱毛症を養毛剤で治そうとする人もいるが、症状が進行する前に適切な治療を受けてほしいとしている。

(編集部)

2013年5月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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