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気になる脇の下の臭い、制汗剤効かなければ手術も

 2014年06月24日 06:00

 暑い季節になると気になるのが脇の下の臭い。鼻にツンとくる独特の強い臭いがあり、ワキガと呼ばれる状態を腋臭(えきしゅう)症という。遺伝との関連性が強いといわれ、食生活や生活習慣の改善や市販の制汗剤などでは臭いを軽減しにくい場合は、医療機関で治療を受けるとよい。汗が出る腺を取り除く手術を受けると、臭いが8割減らせるという。

細菌が原因物質作る

 汗の臭いは皮膚表面にすみ着く細菌が汗に含まれる分泌物を分解して、臭いの原因物質を作ることで発生する。「脇の下は通気性が悪いため細菌が繁殖しやすく、誰でも多少は臭うものです」と話すのは、多摩南部地域病院(東京都)皮膚科の藤本智子医長。

 汗が出る部分には、エクリン汗腺とアポクリン汗腺の2種類があり、ほぼ全身にあるエクリン汗腺から出る汗は99%が水分だ。一方、脇の下や耳の中などにしか存在しないアポクリン汗腺は毛穴に合流しており、汗は尿素やアンモニア、皮脂腺からの脂質や鉄分などの分泌物を多く含んでおり、臭いの原因物質がたくさん作られてしまう。腋臭症の人はアポクリン汗腺の数が多く、汗腺自体も大きい。

 腋臭症の臭いは自分では気付きにくい。藤本医長によると、脇と同じくアポクリン汗腺が多い耳の中の状態でセルフチェックができる。耳あかが幼少時より水あめのように湿っていたら、高頻度で腋臭症だという。

脇毛の処理も怠らずに

 医療機関では、脇の下に5分間当てたガーゼを医師が直接かぎ、臭いの程度やガーゼの湿り具合で治療法を決める。まずは消臭剤の塗布、汗の多い人は制汗作用のある塗り薬や、神経の働きを抑えて汗を出にくくするボツリヌス毒素注射などを行う。

 また、アポクリン汗腺を手術で取り除く根治療法は効果が高く80%程度臭いを減らせる。手術には保険診療から自由診療まで、また皮膚を切開するものから超音波メスで行うものまで複数の方法があり、医師とよく相談する必要がある。デメリットとして、傷口からの感染症の危険や費用が高額なことがある。

 藤本医長は「臭いが気になるなら小まめに着替えるのがベストですが、無理なら1日数回脇の汗を殺菌剤を含んだシートやコットンで拭いてください。脇毛が多いと通気性が悪くなるので、脇毛の処理も怠らずに」と助言している。

(編集部)

2013年6月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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