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筋肉を落とさずに内臓脂肪を減らす方法は?

 2014年06月25日 06:00

 現在57歳で、身長163センチ、体重68キロ、体脂肪率23%、内臓脂肪レベル14、基礎代謝1,400キロカロリー、筋肉量48キロです。筋力アップのために3カ月前からボディービルジムでウエートトレーニングをしています(3カ月前は体重63キロでした)。筋力を落とさずに内臓脂肪を減らしたいのですが、有酸素運動は筋肉エネルギーを先に使うとのコラムを見ました。筋肉を落とさずに内臓脂肪をなくす方法を教えていただきたく、お願い申し上げます。

サミー(50代男性)

食事に気を付けて有酸素運動をすることです。

 近年、減量や脂肪減少の効果に対する運動の種目、強度、時間の影響について、多くの研究結果が発表されています。減量を目的とした場合には、いかに多くのエネルギーを消費したかが重要で、エネルギー消費の多い有酸素運動を中心に体を動かすことが有効です。

 有酸素運動であればウオーキングやジョギング、水泳など、運動の種目による効果の差はないといわれています。

 脂肪を燃焼させるためには、まず体を作ることが大切です。筋トレで筋肉を付けることにより、基礎代謝が上がり、運動したときに効率良く脂肪を燃焼させられることも、さまざまな研究で証明されています。また、運動するときだけでなく、日常生活における身体活動でも筋肉の付いている方が消費カロリーは増えます。

 ご質問をくださった方は、すでにジムでウエートトレーニングを始めていらっしゃるとのことですので、筋力アップは期待できます。

 有酸素運動によって筋肉に蓄えられたエネルギーは消費されますが、筋肉が落ちてしまうことはないのでご安心ください。エネルギーの消費については、厚生労働省の「有酸素性エネルギー代謝」に詳しく記載されています。

 運動以外に日常生活における身体活動を増やすことでも脂肪は減少し、減量できます。厚生労働省が「健康づくりのための身体活動基準2013」に基づいたガイドライン「アクティブガイド―ココカラ+10(プラス・テン)」を公表していますので、こちらもご参照ください。

 ご質問をくださった方のように体重だけでなく、体脂肪率や内臓脂肪、筋肉量、基礎代謝量なども定期的に測定すると筋肉や内臓脂肪など体組成の変化にも気付けるので、正しい体作りやダイエットができますし、励みにも戒めにもなりますね。

 食事に気を付け、運動習慣を身に付けた上で身体活動量を少しでも増やし、無理せず、楽しく、根気よくコツコツ健康維持に努めましょう。

中野 里美(なかの さとみ)

 1990年、東京女子医科大学卒業後、慶應義塾大学医学部内科学教室に入局。都立広尾病院、国立病院機構栃木病院などを経て、2007年から三菱UFJニコス株式会社診療所勤務。同社において初代統括産業医として、社員の健康管理を行っている。日本内科学会総合内科専門医、日本糖尿病学会専門医、日本医師会認定産業医、労働衛生コンサルタント。

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