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進歩する部分入れ歯、金属床や磁石式など登場

 2014年07月30日 06:00

 失った歯を補う治療法はブリッジ、入れ歯(義歯)、インプラントなどさまざま。部分入れ歯(部分義歯)ではこのところ、義歯床(歯茎に当たる部分)が金属製のものや磁石式のものなども登場し、広まっているという。ただし、調整が難しいなどの欠点もあるようだ。、部分入れ歯の最近の傾向について、日本大学歯学部付属歯科病院(東京都)局部床義歯科の石上友彦教授に聞いた。

部分入れ歯の利点・欠点

 一般に部分入れ歯は、人工の歯と義歯床を作り、クラスプと呼ばれるバネを健康な歯にかけて留める仕組み。歯が1本だけ失われた人から1本しか残っていない人まで、非常に多くの人に適応できる。

 部分入れ歯の利点は、ブリッジのように残った歯を削らなくて済み、歯の並び方の良しあしに関係なく作れるところ。また、取り外しができるので洗浄も簡単、修理もしやすい、基本的に健康保険が適用される、なども挙げられる。

 一方で、ブリッジに比べて異物感がある、取り外せるが洗浄をしっかりしないと不潔になる、かむ力がブリッジやインプラントに比べ弱い、バネが他人に見えると入れ歯だと分かって見栄えが良くない―など欠点もある。

 こうした欠点を解消するために、最近では新しい部分入れ歯が開発されている。

金属製は薄くて丈夫

 一つは、義歯床がコバルトクロムやチタン、プラチナなど金属製の入れ歯。通常の入れ歯の義歯床は合成樹脂のレジン(プラスチック)だが、レジンより薄く丈夫なので違和感が少ない。熱が伝わりやすく温かいものは温かく感じる。汚れにくい。ただ、欠点は調整が難しいこと。

 バネの代わりに磁石で固定する磁石式部分入れ歯もある。入れ歯の下に磁石を取り付け、残っている歯根(歯の根元)に磁性ステンレス製金属をかぶせてくっつける。バネがないため入れ歯が目立たず、磁石の吸引力で所定の位置に収まりやすい、取り付けや取り外しが簡単、かみ心地が良い、歯に無理な力が加わると外れるので残っている歯に負担がかからない―などの利点がある。ただし、これにもMRI検査に影響するという欠点がある。

 石上教授は「金属床や磁石式の部分入れ歯は健康保険の適用外ですが、治療法の選択肢の一つとして検討することを勧めます」と助言している。

(編集部)

2013年3月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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