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子供の食物アレルギー、ナッツとそばで多い重症例

 2014年09月22日 06:00

 子供の食物アレルギーは、乳幼児の7~9%、小学生では2~3%に見られ、対応を誤ると成長障害だけでなく、ショックによって命にも関わることもある。適切な治療を受けるには専門医による診断が欠かせない。東京都立小児総合医療センター・アレルギー科の赤澤晃部長は「原因食品がナッツとそばの場合に重症になることが多い。こうした子供では、アドレナリンの自己注射セットを常備してください」と助言している。

どんな食品も可能性

 食物アレルギーは、特定の食べ物を摂取すると起こるアレルギー反応。「どの食べ物でもアレルギー反応が起こる可能性はあります。原因食品は乳幼児では卵、乳製品、小麦が多く、小学生ぐらいになるとエビなどの甲殻類、ナッツ類、果物、そばが目立ってきます」と赤澤部長。

 症状は、じんましんなどの皮膚症状が圧倒的に多い。原因となった食品によっては、呼吸困難や血圧の低下を伴う重いアレルギー反応であるアナフィラキシーショックを起こすことがある。

 赤澤部長は「ショックを起こす代表的な食べ物はナッツ類とそばですが、卵、乳製品、小麦でも起こります。対応を誤ると命に関わるので、まず何が原因食品か専門医で調べてもらうべきです」と警告する。

制限食物は見直しを

 正確な診断をつけるには、疑われる食べ物を少しずつ食べてアレルギー反応を見る食物負荷試験が行われる。通常の血液検査では原因食品を特定するのは難しい場合がある。ただし、食物負荷試験ができる施設は限られている。

 赤澤部長は「子供が何か食べた後に何らかの症状を起こした場合は、まず近くの小児科を受診してください。そこで食物アレルギーが疑われる場合は、食物負荷試験のできる専門医を紹介してもらうとよいでしょう」とアドバイスする。

 原因となる食べ物が正確に分かれば、それを取らないのが治療の第一歩。ただ、いつまでも食べられないわけではない。

 「子供は成長するとともに消化機能や免疫機能も変わってくるので、半年に一度は担当医と相談して食べ物除去の見直しを図ってください。お母さんが過度に神経質になって食物制限を続けると、子供の成長障害を招きかねません」(赤澤部長)

 また、アナフィラキシーショックを起こす危険性のある子供では「アナフィラキシー時に用いるアドレナリンの自己注射セットを常備するようにしてください」と赤澤部長は勧めている。

(編集部)

2013年10月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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