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ドライアイの女性は注意! シェーグレン症候群の恐れ

 2014年09月29日 22:00

 中年以上の女性に多いシェーグレン症候群は、涙や唾液が出にくくなる自己免疫疾患で、ドライアイやドライマウスなどの症状から発見されることが多い。治療には唾液の分泌を促す薬や人工涙液などが基本だが、近年は漢方薬を使うことも増えてきたという。JR東京総合病院(東京都渋谷区)リウマチ膠原(こうげん)病科の津田篤太郎医長に、シェーグレン症候群に対する漢方治療の特徴について聞いた。

唾液や涙の量で検査

 シェーグレン症候群は、免疫が自分の組織を敵と間違えて攻撃する自己免疫疾患の一種。主に、唾液腺や涙腺が障害され、唾液や涙が出にくくなる。ドライアイやドライマウスの症状が診断のきっかけになることも多い。

 「最初に、眼科や歯科、口腔(こうくう)外科を受診して、シェーグレン症候群を疑われ、リウマチ膠原病科を紹介されるケースが多くみられます」(津田医長)

 診断は、ガムをかんで唾液の量を測定するテストと、ろ紙に吸い取られる涙の量の測定テストで、唾液や涙の量が減っていることを確かめた上で、血液検査で異常な抗体が出ていないか調べる。なぜ免疫が唾液腺や涙腺を攻撃するのか原因はよく分かっていないので、治療は対症療法が中心になる。

 「唾液の分泌を良くするセビメリンや、目の乾きに対して人工涙液などを用いますが、漢方薬が使われることも多くなってきました」(津田医長)

根気よく服用することが大事

 具体的には、粘膜を潤す働きがある「麦門冬湯(ばくもんどうとう)」がよく用いられる。ただし、唾液腺や涙腺の障害が進んだケースでは麦門冬湯で治療効果を上げるのは難しい。

 「埼玉医科大の研究で『六味丸(ろくみがん)』の有効性が明らかになりました。この薬は組織の再生を促す作用があるのかもしれません」(津田医長)

 このほか、シェーグレン症候群では慢性的な疲労、痛みやうつ症状を伴いやすいが、こうした症状に対しては、それぞれ「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」「桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)」「香蘇散(こうそさん)」といった漢方薬が有効だという。
 津田医長は「漢方薬は西洋薬に比べて即効性に乏しいので、長期間、根気よく服用する必要があります。希望者はかかりつけの医師に相談してみるとよいでしょう」とアドバイスしている。

(編集部)

2013年10月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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