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子宮頸がんワクチン「接種推進も必要」―日本医学会会長

 2014年12月11日 23:00

 子宮頸(けい)がんを防ぐというHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンの接種後、さまざまな症状が出ている問題について、日本医師会と日本医学会は12月10日、東京都内でシンポジウムを開催。このワクチンについてさまざまな見解を持った専門家が議論した。座長を務めた日本医学の高久史麿会長は、シンポジウム後の記者会見で「専門家の間で副反応(副作用)の原因をさらに究明することが必要」とした上で、「同時に接種を進めていくことも必要」と述べた。

シンポジウムでは賛否両論

 シンポジウムには、子宮頸がんワクチンの接種に積極的な学会理事長や、接種することで発生する新しい病気を主張する研究者など、さまざまな立場の専門家が集結。賛否が分かれる議論が繰り広げられた。

 現在の報告制度では、"本当の副反応"とそれ以外が混ざってしまい、ワクチンが原因でないものも同一視される可能性がある。その一方で、子宮頸がんワクチンを接種することで発生する「HANS」という病気の概念も提唱されている。HANSは、これまでの基準では"本当の副反応"と判定されない症状も含まれるという。

 シンポジウムでは、子宮頸がんワクチンを受けることによるリスク(危険性)とベネフィット(利点)を科学的に説明して世界に発信すべきとの観点から、(1)予防接種の全国調査、(2)治療・研究センターの設置、(3)第三者による予防接種全般の副反応調査・解析―などが必要との意見も紹介。ワクチン接種との因果関係の調査、症状に苦しむ患者の支援、接種そのものの在り方の検証を国に要望していきたいと締めくくられた。

 シンポジウム後に開かれた記者会見で、高久会長は副反応問題について「症状とワクチン接種との因果関係については、専門家の間でも見解が異なる」とし、原因のさらなる究明とともに、海外の状況も踏まえて「同時に接種を進めていくことも必要」とコメント。また、ワクチン接種によるリスク(副反応)としないことによるリスク(予防機会の喪失)の両面を知らせること、接種を受けて症状が出た人への治療・支援体制を強化することが大切と述べた。

(編集部)

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