喫煙する男性は痛風になりにくい? 米研究
2015年01月28日 10:30
ビール好き、魚卵好きにとって怖いのが痛風。特に男性に多い病気だが、喫煙している男性では痛風になる人が少ないという研究結果が、米スタンフォード大学医学部のウェイキ・ワン氏らによって発表された。これまでも喫煙が痛風の基準となる尿酸値を下げる研究結果が報告されていたが、痛風自体との関係が示されたのは初めてという。詳細は英医学誌「Rheumatology(リウマチ学)」1月号(2015; 54: 91-95)に掲載されている。
女性では差なし
ワン氏らは、痛風のない5,064人(男性2,279人、女性2,785人)を最長で54年間(1948~2002年)追跡調査したデータを分析。年齢や飲酒、肥満度、高血圧、腎臓病、糖尿病などの影響を取り除き、喫煙と痛風の関係を調べた。
その結果、痛風の発症率は喫煙している人で1,000人当たり年間2.13人、喫煙していない人で同3.04人で、喫煙している人で痛風になる危険性が24%低かった。男性のみで見ると危険性は32%減とさらに下がったが、女性では喫煙しているかどうかで痛風になる危険性は変わらなかったという。
ワン氏らは「年齢、肥満、飲酒、腎疾患、高血圧、糖尿病とは関係なく、喫煙が痛風の発症を抑える要素であることが分かった。しかし、痛風予防のために喫煙を勧めるものではない。この結果は、タバコに含まれているニコチンやシアン化合物が痛風の発症にどんな役割を果たしているのか、その解明に役立つ」としている。
(編集部)