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花粉が少ない時期の自己防衛が重要―2015年花粉症特集(4)

 2015年01月29日 10:30

 「花粉症は症状が出ていなくても、東京の場合は花粉が飛び始めている1月から、体内でのアレルギー細胞の活性化はすでに始まっているとされています」と、西端耳鼻咽喉科(東京都)の西端慎一院長は話す。花粉症患者にとっては衝撃的な事実だが、花粉の量が少ない時期からの自己防衛によって、シーズン中の症状の強さを軽減できるという。

薬だけでなくマスクも重要

 東京都の場合、花粉の「飛散開始日」は毎年2月の中頃とされているが、1月に花粉が飛んでいても一定量に達しないと開始日として認定されない。つまり、「飛散開始日」より前から花粉は飛んでいるのだ。

 西端院長は「花粉症対策で一番重要なのは、抗原(アレルゲン)である花粉を体の中に入れないことです。最初から薬で抑えようとするのではなく、自分で予防して、それでも出る症状を薬で対処すると考えてください。その方が薬の量も減らせるし、体にも経済的にも良いでしょう」と、マスクや加湿器などを使って予防に努めるよう勧めている。

 特に、マスクの効果は非常に高いことが分かっている。外出する前にマスクをして、帰宅してからマスクを外すことをシーズン中に心がけた人では、何もしなかった人に比べて8~9割花粉をカットできたというデータもあるという。

 マスクの着け方も重要だ。マスクを着ける際、コットンやティッシュペーパーを鼻の下に丸めて挟んでおくだけで花粉が99%カットできるといわれている。自分の顔に隙間なくフィットしているかどうかもポイント。また、1日使ったマスクには花粉がたっぷり付いているので、使い終わったら必ず取り替えたい。大切なのは、症状がないときからマスクを着けていると、症状が軽くなるという点だ。

シーズンが始まる前に受診を

 最近は初期療法(関連記事)に対する認識が高まっているものの、同院では依然として6~7割の人が、症状が出た後に受診しているという。自分が花粉症だと分かっている人は、飛散開始の5~10日前から初期療法を始めると良い。症状が出たら間髪入れずに薬を飲み始めるというタイミングでも問題ないが、そのためには1月後半~2月初めくらいには受診し、前もって薬を準備しておく必要があるのだ。

 初期療法を受けたにもかかわわらず症状が出てしまった場合は、放置せず、すぐに対処することが重要となる。アレルギーに対して一度過敏になってしまうと、花粉だけではなく、気温の変化などほかの刺激に対しても同じように反応するようになり、さまざまな薬を使うことになってしまうためだ。

 薬をやめるタイミングは、「花粉飛散のピークが終わる時期までは、症状がなくてもきちんと服用しなければなりませんが、それ以降は花粉情報をチェックし、症状に合わせて薬を半分に減らしたり、やめたりするなど加減してもよいでしょう」(西端院長)とのこと。自分がいつまで症状があるのかを毎年記録して、目安をチェックできるようにしておくのも良い方法だ。

(編集部)

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