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ミカンジュースが動脈硬化の悪化を防ぐ!? 愛媛大研究

 2015年03月02日 10:30

 柑橘系の果物として日本人にはおなじみのミカン。このミカンに動脈硬化の悪化を防ぐ働きがある可能性が、愛媛大学医学部5年生の浅山理恵さんと大西亜里香さんらの研究によって分かった。ミカン(温州ミカン)ジュースまたはイヨカンジュース、さらに水を飲ませたマウスの血管をそれぞれ観察したところ、ミカンジュースを飲んだマウスでは、動脈硬化の進展を示す「血管リモデリング」が明らかに少なかったという。詳細は、2月15日発行の米オンライン科学誌「プロスワン(Plos One)」(電子版)に掲載されている。

血管リモデリングとは?

 血管リモデリングとは、炎症や血圧による細かい傷などのさまざまな刺激を受けた後に血管の構造が変化すること。血管リモデリングの過程は動脈硬化の悪化の過程と一致しており、体が血管の傷を治そうとする途中で血管が引きつったり、血管の内側が狭くなったりする。これが心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こす。

 また、脂肪の塊が血管の内側にたまることによって血管が破れやすくなる。これが大動脈瘤(りゅう)などを引き起こすのだ。

ジュースの濃さは関係なし

 今回の研究では、マウスの太ももの動脈を傷つけ、体が傷を治そうとする過程でできる「新生内膜」の厚みを測った。

 その結果、ミカンジュースを飲ませたマウスでは、水を飲ませたマウスと比べて明らかに新生内膜の増殖が抑えられていた。ジュースの濃度が濃くても薄くても関係なかったという。

 一方、イヨカンジュースを飲ませたマウスでは、濃度が高いジュースのみで新生内膜の抑制が認められた。

 新生内膜の増殖が抑えられたマウスとそうでないマウスでは、炎症の程度(炎症性サイトカインの量)などに変わりなく、仕組みは不明。なお、過去の研究などからはオレンジジュースを飲むことで酸化ストレスと炎症が抑えられることが分かっている。

 今後の研究でこの仕組みが明らかになれば、脳卒中や心筋梗塞など動脈硬化による病気の治療に日本発のミカンが貢献する日が訪れるかもしれない。

(編集部)

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