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痛風患者はアルツハイマー病になりにくい―英住民調査

 2015年03月25日 10:30

 "風が吹いても痛い"を耐えている痛風患者に、朗報ともいうべき研究結果がもたらされた。米ボストン大学医学部のナ・ルー氏らは、英国の住民データを調べた結果、痛風患者はそうでない人と比べ、アルツハイマー病になる危険性が低かったと、3月4日発行の欧州リウマチ学会(EULAR)の機関誌「Annals of the Rheumatic Diseases」(電子版)に報告した。

英国人30万人を大調査

 痛風は、血液中に増えた尿酸が関節にたまり、それを白血球が攻撃することで関節に腫れと強烈な痛みを引き起こす病気。放置していると、心筋梗塞や脳卒中など命に関わる病気にもつながるほか、心臓病や腎臓病にかかりやすくなるともいわれている(関連記事:尿酸値を上げない5つのポイント...減量、飲酒制限など)。

 一方で、痛風のもとである尿酸は抗酸化物質でもあり、パーキンソン病などの神経の病気から保護するとも報告されている。

 ルー氏らは今回、英国の電子カルテデータベースの1995年1月1日~2013年12月31日分から、痛風を発症した5万9,224人を特定。年齢や肥満度などが一致する痛風でない23万8,805人とともに約5年間追跡調査し、アルツハイマー病の発症率を比較した。

発症リスクが24%低下

 その結果、追跡期間中のアルツハイマー病発症率は、痛風患者で1,000人当たり1人、痛風患者でない人で同1.5人。痛風患者でアルツハイマー病になるリスクが24%低かった。

 ルー氏らは「今回の研究結果は、痛風がアルツハイマー病に対して保護作用を持つ可能性を示すもので、尿酸がパーキンソン病などの神経の病気から保護するという仮説も支持する。今後の研究によって、パーキンソン病の悪化を防ぐ目的で開発が進められている治療法が、アルツハイマー病にも流用できるかもしれない」と述べている。

(編集部)

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