痛みがあれば、男性は「我慢」女性は「薬」―ファイザー調べ
2015年05月15日 10:00
頭痛、肩凝り、腰痛、生理痛...さまざまな慢性の痛みを抱えている人は、全国で2,000万人以上いるともいわれている。痛みは治りにくくなる前に適切な診療が行うことが重要だが、長く痛みを抱えていても4割近くの人は通院していないことが、ファイザーの調査によって分かった。また、痛みへの対処法に男女で差があり、男性は「我慢」、女性は「薬」に頼る傾向にあったという。
対処の最多は男女とも「塗り薬・貼り薬」
今回の調査は、3月27~31日に、慢性的な痛みを抱えている全国の20歳以上の男女9,400人(男女各4,700人)を対象に、インターネットを介して行われた。
その結果、長く続く痛みがあっても現在、通院している人は男女ともに23%にとどまり、通院したことがない人は36.6%にも上った。
痛みへの対処法は「塗り薬・貼り薬を使用する」は男女で差がなくともに1位(男性27%、女性25%)。しかし、2位の「我慢する」は男性24%、女性18.2%と差があり、「痛み止めを飲む」も女性で15.1%だったのに対して男性は9.3%と少なかった。しかし、「痛みがあってもある程度我慢するべき」と思う人は男性53.2%、女性58.7%と、女性の方が男性よりも多い傾向にあった。
周囲に伝える理由も男女で差
また、自身の痛みを周囲に伝えている人は9割に上り、伝える相手は男女とも「パートナー(配偶者・恋人)」が1位(男性79.5%、女性70.8%)。男性は女性より「仕事関係者(勤務先の同僚や上司)」には多く伝えているが、女性は「友人」や「子ども」「母親」「兄弟・姉妹」など幅広い対象の人に相談していた。
周囲に伝える理由は、男性は「自身の痛みのせいで迷惑をかける可能性があるから」の34.6%、女性は「話すことで自分が安心するから」の36.1%がそれぞれ1位。ここでも男女の意識の違いが伺える。
今回の調査結果について、順天堂大学(東京都文京区)医学部の井関雅子教授(麻酔科・ペインクリニック)は、痛みに対して適切な対処を行わずに放置していると、その痛みがまた別の痛みを引き起こして"慢性の痛み"に変わってしまう危険性を指摘。「痛みが悪化してしまうと、鎮痛剤が効きづらくなり、痛みを緩和させることが難しくなったり、症状の改善の遠回りになることが少なくありません」とし、「痛みの強さが軽度に思われても、実際には病院で治療が必要とされる可能性があるので、治療の時期を逃さないよう、早めに医療機関に相談することが重要です」と助言している。
(あなたの健康百科編集部)