MERSに休校措置は意味なし? 韓国にWHOが勧告
2015年06月12日 06:00
世界保健機関(WHO)は6月9日、韓国で中東呼吸器症候群(MERS=マーズ)コロナウイルスの感染が広がっていることを受け、ケイジ・フクダ(福田敬二)事務局長補らが現地入りし、韓国保健福祉省との合同調査チーム設置したと発表した。その中でWHOは、韓国の学校で休校措置を取っていることについて「解除をぜひ検討すべき」と勧告している(関連記事:MERSが国内で発生したら...厚労省が対応策を発表)。
「学校内での感染は確認されていない」
韓国では、中東諸国に滞在した男性がMERSを持ち込んで以来、多くの感染者と死者を出しており、6月11日現在で122人の感染と9人の死亡が報告されている。感染したのはいずれも医療機関内という。
こうしたことから、6月9日にWHOのフクダ事務局長補らが韓国入りし、韓国保健福祉省との合同調査を開始。患者が発生した医療機関の調査のほか、ウイルスの分析などを行っている。
WHOは6月10日のリリースで、合同チームは第一段階の勧告を紹介。その中で、韓国では現在700カ所以上の学校がMERS予防のために休校措置を取っているが、「学校内でのMERSコロナウイルスが感染したことは確認されていないことから、休校の解除をぜひ検討すべき」としている。WHOの勧告は以下の通り。なお、フクダ事務局長らは6月13日まで韓国に滞在する予定だ。
- 韓国内の全医療機関における感染予防と感染対策の迅速な強化
- 発熱・呼吸器症状を有する全ての患者へのMERS患者との接触歴や同患者が発生した医療機関受診歴、中東諸国への渡航歴への聞き取りを行うこと
- 濃厚接触者は健康観察期間中に移動しないこと
- 韓国やそれ以外の国でも学校内でMERSコロナウイルスの伝播は確認されていないことから、休校の解除を検討すべき
(あなたの健康百科編集部)