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手術中のBGM、好きな音楽で縫合の速度・質が向上―米研究

 2015年08月12日 06:00

 手術中に音楽(BGM)をかける医師は少なくなく、英国の外科医では9割に上るという。患者の不安を和らげるだけでなく、手術チームの作業効率を向上させるとも報告されている。こうした中、手術を担当する医師の好きな音楽を流すと、縫合の速度や質が向上するとの研究結果が、米テキサス大学医学部のシェルビー・R・リース医師(形成外科)らによって報告された。テンポの速い曲ほど縫合のスピードが上がったという。詳細は、7月9日発行の米美容外科学会誌「Aesthetic Surgery Journal」(電子版)に掲載。一方、BGMが手術に悪影響を与えるとする研究結果も、別の研究グループから報告されている。

12人の研修医が豚足を縫合

 外科医の中でも、手術中のBGMに肯定的な意見と否定的な意見があるという。リース医師らは、平均年齢31歳の研修医12人(男性4人、女性8人)に、BGMありとなしの状況で縫合をしてもらった。

 実験に使われたのは豚の足。長さ5センチの切り傷をつけてそれを縫合し、終了までの時間を計り、さらに教員による縫合の評価が行われた。なお、BGMは各自が好きなジャンルを選び、ロック、ヒップホップ、ポップスがそれぞれ25%、ラテン音楽が17%、クラシックは1.8%だった。

 実験の結果、BGMありの場合、縫合時間がBGMなしの場合よりも8%短縮。また、教員による評価もBGMありで高得点だったという。なお、縫合に最適なBGMのジャンルは十分検討できなかったが、「直感的に曲のテンポが速いほど、縫合完了が早かったようだ」と考察している。また、医療費削減の観点から、BGMによる縫合時間の短縮と縫合成績の向上は評価できると結論付けている。

 一方、同時期に、手術中のBGMが安全を脅かす恐れがあるとの研究結果も報告された。内容については、次の記事を参照。

(あなたの健康百科編集部)

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